スミヨシです。
蜂窩織炎ってとても難しい病気だと思っています。
蜂窩織炎自体は抗菌薬投与とRICEをすればまま良くなる、かもしれませんが難治性の場合や重症の場合は鑑別どうするか、誰に相談するか、NSTIならデブリとかどうするかっていう点が難しいと感じます。
そういうわけで「蜂窩織炎mimic」というカテゴリは重要な訳です。
総合内科とかしてると、しばしば蜂窩織炎mimicを問われる場面がこれまでにありました。
教育的であればそれはとても素晴らしいことです。
しかし世の中には単に知識をひけらかしたり、マウントを取りたいがためにmimicの羅列を聞いてくる上級医がいるのです(私見)。
そんなクイズ好き好き上級医の意表をついて逆に蹴散らすのにうってつけなのが、このLipodermatosclerosisです。
クイズ好き好き上級医の鼻をくじくため、患者さんに適切な診断をつけるため、Lipodermatosclerosisを調べました。
Lipodermatosclerosis
「皮膚の色素変化と硬化をともなう、逆シャンパンボトルのような外観」です。
報告は両側が多い印象がありますが片側のことが多そうです
(Mayoのレビューでは両側45%)。
圧痛があってもよさそう。
病態は、
静脈うっ滞
→浮腫と炎症
→ヘモジデリン沈着による色素沈着や、
コラーゲン過剰生成による皮膚と皮下組織の硬化
→局所血流低下による足首付近での脂肪組織の萎縮・減少
→逆シャンパンボトル
とのこと。
女性、中年、高BMI、静脈異常と関連しているとのこと。
静脈瘤を55%に合併する。
うっ滞性皮膚炎との分岐はどこで起きるのだろうか。。
ちょっとよくわかりませんでした。
正直慢性経過になるでしょうし、蜂窩織炎mimicというより血管炎mimicになりそうな気がしなくもない。。(こっちは動脈ではなく静脈の問題ですが)
診断
基本的には臨床診断
エコーでも診断できる可能性はあるが一般化できるかは不明。。
治療
圧迫療法
→疼痛で難しそうですが、(Ann Vasc Dis. 2019;12:77–9. )とかで報告あり
スタノゾロール(Dermatol Online J.2008;14:1.)
あとは伏在静脈逆流遮断とかの外科的手術だったり、ステロイド局注だったりをしている施設もありそうです。
というわけで、診断できても治療は難しい可能性がありますが、それでも知っておいてもバチは当たらないと思います。
ではまた。
結論:○○ミミックシリーズと○○カメレオンシリーズの違いはよくわからない。