スミヨシです。
よく高齢者の便秘で、浣腸を希望される(看護師が希望する?)ことがあります。
安全性の問題から(腹圧上昇や腸管穿孔)、適便をすすめてはいるのですが、実際まあ浣腸しないと仕方ないのかもなと思うこともあります。
ところが以前
「血圧100以下なので浣腸できません」
と言われたことがありました。
まあしないならしないでいいんですが。。
少しもやもやしたので調べてみました。
低血圧に浣腸はだめ?
そもそもなぜ低血圧患者に浣腸はだめとなったか。
ローカルルールだし、詠み人知らずではありますが、おそらく迷走神経反射を心配してのことだと思います。
もはや文献でもなんでもないですが、厚生労働省からも注意喚起はでてます。
そういうわけでまあ、「失神の危険があるから浣腸はやめとこう」というのはなんとなく現場で通りそうな意見に見えます。
血圧100以上なら浣腸してよい?
では血圧100以上なら浣腸してよいのか?
そもそも血圧が高ければ迷走神経反射は起こりにくいのかと言われるとそれはそうかもしれません。
あくまでtilt試験の結果ですが、sBP≤128はtilt陽性の独立因子というのはあります(OR:1.27; 95%CI, 1.11–1.44, p < 0.001)
128はまあまあ正常ですけどね。。
ただ、世の中なんでも報告されていて、血圧138/86の人が浣腸したら血圧86/50になって悪心を訴え、その後自然に改善した、というものもあります。
(日農医誌 1994 年 43 巻 2 号 p. 86-89)
なんかもう、あれですね。
起こるときは起こる!
100以上で安全性が高いかは残念ながらわかりませんでした。
まとめ
・浣腸推奨派じゃなければ100以下で無理にしなくてもよさそう
・そもそも100って10進法でキリがいいだけなので、それ以上でも浣腸は注意深くしたほうがよさそう
ではまた。
結論:もしかしたらグリセリンが吸収されて低血圧になるとかいう面白理論があるかもとか思ったけどニトログリセリンと化学式ちがってた