2021/03/29

投稿日 2021/03/29

アナフィラキシーに対するH2Blockerは必要?

スミヨシです。

当院でも新型コロナウイルスに対するワクチン接種が始まっています。
研修医の先生とアナフィラキシーのことについて話していました。

すると、とりあえずボスミン打ってガスポラですかねえ、と謎のことば。

聞くに、アナフィラキシーの対応はルーチン化していて、アドレナリン筋注のあとは、ガスター®(H2B)とポララミン®(H1B)を投与する、とのこと。

なるほど、ガスポラとは、ガスター+ポララミンなのですね。

そういや自分が研修医のときに、アナフィラキシーの人に対してH2Bは必須じゃないし、保険の問題があるから投与するな、と教わりましたがこの辺どうなのだとろうと思って調べてみました。


H2Bは蕁麻疹の改善を早めるかもしれない

アナフィラキシーのH2B投与に対する文献はあまり見つかりませんでした。
ただ、H1Bとの併用で2時間後の皮疹・血管浮腫の残存率が下がる、というものはありました。

(Ann Emerg Med. 2000;36(5):462-8.)


この分野の権威あるガイドラインがどれなのかはあまりわかりませんでしたが、各国のガイドラインではH2Bの投与に対してはあまり語られておらず、記載のある文献はいじれも上記の内容でした。

なんとなく、消化器症状の強い方にはH2Bも効果あるのかとおもってましたが、消化器症状に対しての効果はあまりわかりませんでした。

皮膚症状の強い方には考慮できるかもしれません。。

とはいえ、救急の場ではスムーズな動きも重要で、看護師さんがルーチンワークで動けて準備が簡単、というのもひとつ考慮すべきかもしれません。
投与してそこまで害がなければうるさく言う必要もないのかもしれません。

救急の本には心収縮力の話もかいていたりしますが、やはりアドレナリン筋注が前提かと思います。

ではまた。



結論:H2ブロッカーをH2Bって略すのは、なんかカッコいい