2022/11/28

投稿日 2022/11/28

【症例】40歳女性 胸痛を伴うアナフィラキシー(再掲)

※2021年9月にのせたやつです。

最近少し話題になっていたので。


スミヨシです。

最近涼しくなってきましたよね?

虫が怖いので我が家は窓開けるのは禁止にしております。

このまま夏が終わればいいのにね。


この前のカンファで、胸痛を伴うアナフィラキシーが話題に挙がったので調べました。



※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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40歳女性
X日 新型コロナワクチンを接種
その直後から全身の皮疹と呼吸困難感が出現し、ERへ
速やかにアドレナリン筋注が行われたが、胸痛の訴えあり。
12誘導心電図で、Ⅱ、Ⅲ、aVFのST上昇
CAGでは有意狭窄なし
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さて、この症例どうしますか?

まあ、非循環器医だと成す術ないかもですけど。


カンファではある疾患を頭の片隅に置いておくようにボスから言われました。


Kounis症候群です。






Kounis症候群

(Clin Chem Lab Med.2016;54(10):1545-59.)

アレルギー反応に伴い、急性冠症候群を起こすもの。

アレルギー反応⇀ヒスタミンなどが冠動脈攣縮を起こす⇀冠動脈プラーク破裂、血栓形成によって引き起こされる。

レビューの筆者がKounis氏なので、その先生の名前が病名になったと思われる。


アナフィラキシーのどれくらいの割合で引き起こされるかは不明。

トルコの研究では、3876人のAMI疑い患者がCAGをされ、8名がKounis症候群であった。

(Exp Rev Clin Immunol 2010; 6:777–88)


分類

Ⅰ型:冠動脈の有意狭窄のない冠動脈攣縮
Ⅱ型:冠動脈に有意狭窄があり、攣縮が起きてプラーク潰瘍や破綻が起きる
Ⅲ型:好酸球や肥満細胞によるステント留置後のステント内血栓


いずれにせよ、アナフィラキシーの治療+ACSの治療になるかと思います。


病名を知っている必要はないとは思いますが、アレルギー反応で受診された方が胸痛を訴えていれば、ACSの対応も視野に、ということでしょう。

私はいつも循環器の先生がアグレッシブな施設で働けているので助かります。

ではまた。



結論:デスノートの心筋梗塞は基礎疾患の無い若い人にも起こっているから冠攣縮か心筋炎かKounis