採血を出すときに、血糖と血清血糖がオーダーであるんですけどどっちがいいですか、と研修医に聞かれました。
こんな感じな当院カルテのオーダー画面です。
大きな医療事故にはつながらないとは思いますが、血清血糖は忘れて結構、と返事しました。
まあ、当院採血量が少なくなるメリットをとって入院中患者の大体が血清血糖で測定する文化は多く、自分もなんだかんだオーダーしてしまうので強くは言えませんが。。
血漿血糖と血清血糖の違い
ずばり血清血糖は数字が低く出る可能性があるのです!
まあ、理由が無ければ血漿で、血糖測定用の採血管での測定がよいと思います。
RBC、WBC、PLTが解糖系を発動してしまうので、通常の採血で血清から出すとその間に糖を消費してしまうのですね。
ネットで調べると、全血で室温で1時間当たり10mg/dlくらい減るとか。
採血管での違い
下の図は、Floride採血管の血漿(いわゆる血糖測定用の採血管)、EDTAの血漿、血清の血糖値と採取してから検査までの時間の比較です。
(J Clin Lab Anal.2012;26(5):317-20. )
時間が経つとどれも血糖値は下がるみたいですね。
ただ、ノータイムで検査しても血清だと1.15%低く出ます。
血糖用の採血管で採るのが無難ですね。
※ただし、この論文の結論としては時間が経った採血では、血清の方が普通の血漿よりも血糖値の低下は少ないから適しているかもよ、という論調
まとめ
血糖は測定方法で低く出すぎることがあります。
採血量が少なくてすむのはよいですが。。
回避するために、血糖測定用の採血管で血漿で血糖測定するのがよいかな、なんて思いました。
血糖はPG(Plasma Glucose)と略す派のスミヨシでした。
ではまた。
結論:BS(Blood Suger)と略す人間を追い詰めるBS狩りの医者がどの病院にもいる。