2022/03/12

投稿日 2022/03/12

DPP4阻害薬でRS3PEが増えるかも(再掲)

※2020/10/6に公開した記事です


スミヨシです。

病院内には医局という、まあざっくりいえば医者だけが集まる部屋があります。


私の以前の病院は、あまり3-5年目の先生がいなかったですから、同世代の人たちがどれくらいの勉強してるのか、とかどんなこと知ってんのか、とか聞くこともなかったです。

でも今の職場は若い先生も多いので、いろんな話が聞こえてきて楽しいです。


医局で、若手の先生が、

急な両側の手関節痛・肩関節痛と手背の浮腫の高齢男性がきた、といって、なんだろうねえ、膠原病って難しいよねえ、と言っていました。

なんかそういう病気で、英語と数字だけの名前の病気あるよねえみたいにいってました。


ああ、そういう話、好き!!私も入りたい!!

それって、RS3PEじゃないのかなあって!!


RS3PE

RS3PEは、「remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema」

の略で、まあそのまんま、RF陰性の関節炎の鑑別によくあがるやつです。

ほんとは滑膜炎です。

マニアックな疾患だと思いますが、病院見学にきた学生さんでも知っている人もいるので、それなりに疾患認知度はあがっているのかもしれません。


リウマチ科の先生にいったら怒られるかもしれませんが、私は研修医には、

PMR+浮腫=RS3PEを疑う

とおしえてます。PMRはリウマチ性多発筋痛症です。

PMRとちがいVEGFの機序がどうとか、は面白いですが、あんまり臨床に活用できないので頭に入ってこないです。。

あとPMRを診断するのがひとつ難しいのですが。。

治療はPSL15-20mgから始めますし、PMRと似ています。


RS3PEは悪性腫瘍合併を疑う?

PMRもですが、傍腫瘍症候群としてのRS3PEはよく言われます。

亀田病院の研究では、悪性腫瘍合併は7%だったようです。

(J Rheumatol 2012;39;148-153)

PMRは6%とのことです。スクリーニングで全例がん探しをすべきかはわかりませんが、ステロイド反応性のわるいものは悪性腫瘍随伴性では、とかは聞きますね。

自験例では、

RS3PEうたがい、PSL投与する⇀そのために骨粗しょう症予防としてビスホスホネート投与する⇀その前に歯科にコンサルト⇀口腔がん見つかる。というのがありましたね。

こういうの論文にしなきゃいけないですね。。すみません。。


RS3PEとDPP4阻害薬との関係

DPP4阻害薬投与例でRS3PEを経験したという報告があります。

(日本内分泌学会雑誌 2017;93:57-60)

PubMedでDPP4とRS3PEで検索しましたがめぼしいものはなさそうでした。

DPP4阻害薬の副作用では類天疱瘡が有名ですが、RS3PEも頭の片隅においておいていいかもしれませんね。

実際に、シタグリプチン(ジャヌビア)の添付文書には副作用の欄にRS3PEが載ってます。


ジャヌビアの添付文書にRS3PE
ヤクチエというアプリの添付文書より。



医局で声が聞こえてきて、しらべてこういうの出てきて、これ伝えてあげようかなあとか思いましたが、冷静になると知らないやつが急に病気の説明してきて、すっごく気持ち悪いやつになるなと思いやめました。




結論:ずっと医学の検索してニヤニヤしてたらお金もらえる仕事したい


※ジャヌビア飲んでいる人に、ジャヌビアやめとけ、というものではありません。

すべての薬剤には副作用があります。くすりはリスクです。