元文献がまだ見ることができていないので、詳しい部分は不明ですが、コルヒチンがCovid-19に対して、入院減少、人工呼吸器の必要性の減少、死亡者の減少をきたすと発表されました。
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もともと非盲検試験では、有効性はありそうでしたが、今回はおそらく盲検試験でそれなりの人数が対象です。ただし、集団の条件は不明です。
▼カナダ、アメリカ、ヨーロッパなど参加、モントリオールを中心としたCOLCORONA試験
▼少なくとも1つはCovid-19 合併症危険因子のある4488人が試験にエントリー
▼今回の対象は、鼻咽頭PCRで陽性であった4159名
▼プラセボ投与群に対して、コルヒチン投与群は、
・入院率 25%↓
・呼吸器使用 50%↓
・死亡率 44%↓
▼0.5mg 1日2回 3日間、その後1日1回で27日間
以上です。
元文献をよまないと何ともいえませんが、私は少し期待しています。
もし効果があるなら外来治療に希望がもてます。
現在高齢者のコロナの治療を仮に外来で行うとなるとかなり厳しい状況です。
早期なら抗ウイルス薬がよいですが、レムデシビルは点滴での加療が必要であり、アビガンは承認されていないので、外来で持たせて帰宅は不可能、吸入ステロイドのオルベスコは効き目があまりなさそう、と、早期の症状軽い時点では、入院しない場合は対症療法にせざるを得ません。
また、7-10日くらいでの増悪の際にはデカドロンが死亡率を下げることができるかもしれませんが、そのフェーズで治療が必要な方は低酸素があり入院が必要な方です。
ようするに、現行、入院率を下げる行動がなかなかとれないです。入院できなかった高齢者は自宅待機で悪くならないようにお祈り、なんていうかなり厳しい状況が現在の日本でもしばし見られます。
これがコルヒチン使用がOKとなると、レセプト的には痛風でよいですし、消化器症状はありますが、比較的副作用はわかりきっているので使いやすいかと思います。
入院率をさげたとのことで、早期診断されたけど現時点で入院が不要の患者に対しての使用を見据えているデータかと期待しています。
気になっていることもあります。
えてしてこういう臨床試験は、実臨床では投与量として多すぎて実現不可能、ということがしばしあります。
ただ、おそらく今回の論文の筆者は、Jean-Claude Tardif氏かと思います。
以前、NEJMにのったMIの後のコルヒチン投与が合併症予防の効果があるかもしれない、という内容のCOLCOT trialの筆者です。
(NEJM 2019; 381:2497-505)
この試験ではコルヒチンの投与量は0.5mg/dayでした。まあ、なんとか長期使用もできる量かと思います。
急性期なので、もう少し投与量は多いかもしれませんが、たぶんコルヒチンが好きな筆者なので、痛風発作で使用する量で、多くとも3mg/dayで抑えてくれていればいいかと思います。
それくらいの量になると消化器症状必発ででるので1mg/dayとかならうれしいですが。。
※投与量上に記載してます。0.5mg\dayベースですね
いずれにせよ、また論文がリリースされることを期待しています。
ではまた。