施設から発熱を主訴に救急搬送
⇀もともと尿バルーン入っている人だし、カテーテル関連尿路感染(CAUTI)だろう
という人を診る事あると思います。
多くは救急で初期対応されることかと思います。
これは救急チームでマニュアル化しているかどうかにもよるかもしれませんが、バルーン交換や尿培養をどういう風にしているでしょうか。
福知山では看護師さんが必ずやってくれていました。
でもそうではない施設も多くみています。
CAUTI起こしたときのバルーン交換は必須だと思い込んでますが耳学問だったので一応調べてみました。
CAUTIの治療前にバルーン交換は必須?
IDSAガイドラインより抜粋
(Clin Infect Dis.2010;50(5):625-63. )
・CAUTIの発症時に挿入されているカテーテルが2週間を超える期間挿入されており、まだ抜去されていないなら、症状、徴候の改善を促すため、そして疾患の進行する危険を減らすため、カテーテルを交換しなければならない(A-I)
・尿培養は新たに入れ替えたカテーテルから採取したものを治療の指針とする。(A-Ⅱ)
尿培養は今の職場はできていないかもなんて思います。
カテーテルの定着菌を拾ってしまうので交換後採取が望ましいですね。
尿バルーン交換は臨床的、細菌学的によい
(J Urol. 2000;164:1254-8.)
ナーシングホーム居住者のCAUTI
そのまま治療群vsバルーン交換群(いずれもn₌27)
・治療開始72時間時点での細菌尿の改善
29.6% vs 88.9%
・治療開始72時間時点での臨床状態の改善
40.7% vs 92.6%
・治療開始28日時点での再発
40.7% vs 11.1%
バルーン交換群の方が治療成績、再発率ともに優秀ですね。
まとめ
そういうわけで、CAUTI疑いの患者を診たら、
・バルーン交換
・交換後培養提出
を心がけましょう。当たり前かもしれませんが数字を言うことができると説得力が増しますね。
ではまた。
結論:”TAKING CAUTION ON CAUTI”みたいな韻を踏んだタイトルのスライドが英語圏の医者にはありがちだが、日本では少ないのであたかも自分が考え付いたかのように使っている。
【私見】男性の尿路感染って全例直腸診必要?
というわけで以下私見です。 ・下部尿路障害のある男性の尿路感染 ・骨盤、肛門周囲など疼痛のある男性の尿路感染 ・結石や泌尿器科的疾患の無い、ADL自立の男性の尿路感染