スミヨシです。
先日、ある病院で、アルコール多飲後に救急搬送された患者さんがいて、その時の採血で、好塩基球上昇がありました。
だから念のための採血はするなよとかいうツッコミを自分でしつつ、主訴とは関係なさそうでしたが、日中の内科受診をすすめました。
昔、福知山のボスに好塩基球のことをおそわりましたので、再度あっさり調べてみました。
※もともと2022/10/1に公開した記事です。
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好塩基球増多は臨床でなかなか出会わないし、そもそも見逃している可能性がある項目の一つだと思います。
正直普段しっかり見ていないこともあるかもしれません。
あるWEBカンファで、福知山のボスが採血の項目が出たときに
「これCML(慢性骨髄性白血病)だ」
とか言い出したことがあります。
主訴とか病歴とか忘れてしまってだめなんですが、好塩基球増多からアプローチしているのが印象的でした。
しかもほんとにCMLでした。
好塩基球増多症
200/µl以上の好塩基球で定義
鑑別
骨髄増殖性腫瘍(とくにCML)、真性赤血球増加症、原発性骨髄線維症、本態性血小板血症
アレルギーやインフルエンザや結核など感染症の慢性炎症、炎症性腸疾患、自己免疫疾患、薬剤、食物摂取
無症状患者、白血球11,900-14,700くらいで、好塩基球6-10%で27か月推移していた患者がCMLであった報告がある
ただし、CMLでは好塩基球上昇はWBC総数の2-3%程度かも?
(Basophilia - an overview | ScienceDirect Topics)
1000/µlが8週間つづくような症例は悪性腫瘍(血液腫瘍)を示唆する
(Int J Lab Hematol.2020;42:237-45. )
ボスは「好塩基球が2%を超えていたらCMLを疑え!」
とおっしゃていました。
2%の根拠はあんまりわかりませんでしたがキャッチ―で覚えやすい、言いやすいのでパクらせてもらっています。
微妙な数字の時には採血フォロー可能でしょうが、環境次第では一度血液内科紹介でもよいのかもしれません。
自分は上記のセリフが頭にこびりついているので、2%超えてたらそわそわして紹介を検討することにしています。
ではまた。