2023/05/14

投稿日 2023/05/14

帯状疱疹罹患時にはCRPは上昇する?

スミヨシです。


以前、良く分からない軽度CRP上昇→帯状疱疹が判明、という症例が話題になりました。

で、そもそも帯状疱疹はCRPがあがるのか、と議論になりました。

自分の感覚ではウイルス感染だし、多少上がるんじゃね?と思いましたが、一応文献を調べてみました。


帯状疱疹と炎症反応

Measurement of melatonin, indole-dioxygenase, IL-6, IL-18, ferritin, CRP, and total homocysteine levels during herpes zoster

(J Med Virol. 2020;92:1253-9.)

イランの皮膚科を受診した帯状疱疹患者 n=43 vs コントロール群 n=47 での炎症反応の比較

帯状疱疹群の年齢は65.70 ± 9.72

胸部20例(46.5%)、腰部8例(18.6%)、頸部5例(11.6%)、仙骨3例(7%)

胸部と仙骨部の両方の皮膚にHZの発疹が見られたのは7例(16.3%)

免疫抑制患者は除外



・各炎症反応は帯状疱疹群が有意に高い。
※1 µg/ml=0.1 mg/dlなので数字は割と低め。



痛みの重症度と炎症反応
・皮疹の重症度、痛みの重症度が上がるほど、CRPはあがる


帯状疱疹と抗酸化マーカー

Antioxidant and inflammatory biomarkers in herpes zoster

(J Med Virol.2022;94:3924-9. )

トルコの皮膚科を受診した帯状疱疹患者 n₌53 vs 対照群(HC群) n₌53

抗酸化マーカーの比較

帯状疱疹群の年齢は70.1 ± 8.0

胸部21例(39.6%)、三叉神経13例(24.5%)、腰部10例(18.9%)、仙骨5例(9.4%)、頸部4例(7.5%)

UA、TBIL、ALBを変動させる可能性のある痛風、DM、肝臓疾患、腎疾患、悪性疾患やステロイドuserなど免疫抑制剤を使用している患者など除外



・帯状疱疹群とHC群の各マーカーの比較。CRPはmg/dl

CRPは帯状疱疹群が有意に高い。


・皮疹の重症度と各マーカー

帯状疱疹の重症度が上がるとがCRPは高くなる。



・帯状疱疹後神経痛の有無でのマーカーの比較

帯状疱疹後神経痛のある患者はそうでない患者にくらべてCRPは高い。


まとめ

帯状疱疹は少しCRP上がる、1桁前半くらい。


このことを臨床に使えるのかな。。

局所の帯状疱疹とわかっている患者にたまたま採血をしたらCRP 10だったって際には、あれ?なんかプラスアルファがあるんじゃね?程度でしょうか。

ではまた。


結論:「愛情」と検索するとサジェストに「疱疹」がでる。