スミヨシです。
生きてます!!!!
いろいろありましたが!!
自分は専門医をとらずに働いていたので、僕の論調を後付けするものはぶっちゃけ所属組織だったかもなあなんて思ってます。
もはやそれも無くなり、医療系らくがきブログと化しましたが、ほそぼそ続けたいと思います。
※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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70歳男性
X 左側腹部に皮疹、痛みが出現
X+1 帯状疱疹の診断。バラシクロビル開始
X+10 皮疹は改善。側腹部の痛みもほとんど改善していたが、左胸痛が出現し救急搬送
どうする?
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どうするもなにも、帯状疱疹じゃん、と思いつつ来てみると、皮疹のあった場所と疼痛部位は別でした。
まあ、そんな情報あろうがなかろうが初手心電図でしょうけど。
ああああ!!!!
というわけでSTEMIでした。
そこで、帯状疱疹ってSTEMIとなんか関係あるのかななんて思い調べてみました。
帯状疱疹と心血管イベント
調べてみるとそこそこ出てきました。
とりあえず長期的にはリスクが高い可能性があります。
NHS, NHSⅡ, HPFSのコホート参加者を用いた研究
⇀帯状疱疹後の冠動脈疾患発症リスク(multivariable‐adjusted hazard ratio)は、
帯状疱疹後1-4年 1.13 (1.01–1.27)
帯状疱疹後5~8年 1.16 (1.02–1.32)
帯状疱疹後9~12年 1.25 (1.07–1.46)
帯状疱疹後13年以上 1.00 (0.83–1.21)
(J Am Heart Assoc.2022 ;11:e027451. )
まあ、正直交絡因子がなかなかありそうですし、数字も渋いし、長期的リスクと断定するのは難しいかもしれません。
さがしてみると短期的なリスク評価もありました。
Increased Myocardial Infarction Risk Following Herpes Zoster Infection
(Open Forum Infect Dis. 2023;10:ofad137. )
退役軍人のデータを用いたコホート研究
帯状疱疹を発症した71,912 人と 対照群2,093,672人
⇀ 30 日以内の心筋梗塞が、
帯状疱疹コホートの 0.34% (n = 244)
対照コホートの 0.28% (n = 5782) に発生
(OR, 1.35 [95% CI, 1.18–1.54]; P <.0001)
なお、50歳以下ではリスクを高めなかったことと、50歳以上の群でShingrixはMI発症を減らしたこと (OR, 0.82 [95% CI, .74–.92]; P = .0003)は注目ですかね。
なぜ帯状疱疹でMIが増えるかの言及はありませんでした。
この研究を臨床に使うとすればむしろShingrixの効果でしょうか。
もちろんShingrixを打つ人は予防医療をしっかりしている人であった可能性はありますが、MIリスクを少し減らす可能性があるのは患者に説明しやすそうです。
そもそもMIの発症はすくないものの、帯状疱疹になると心筋梗塞リスクが35%あがる、Shingrixをうったら心筋梗塞が18%減らせる、という触れ込みで誘導できたらいいなあ、なんて思います。
まとめ
・帯状疱疹罹患後は短期的、長期的にもMIのリスクの可能性あり
ではまた。
結論:どこかで医学してます!!