※この記事は2020/11/6に投稿したものです
最近コロナのせいかそうでもないのか、過換気症候群を診る事があって何か書こうとしたら昔の自分も同じこと書いてるなあとか思い出して再掲しました。
スミヨシです。
救急してると、たまに過換気症候群の方がいます。
過呼吸ってやつですね。
私はほとんどの場合、検査をせずに、症状とSpO₂と、発症状況をみて、検査はせずに経過観察をすることが多いです。
ただ、結構研修医の先生は、上級医にコンサルトするため?に検査していることが多いなと思います。
もちろん、検査するのがだめ、なんてことはありません。
過呼吸の鑑別診断だけあげると、ACS、気胸、肺塞栓、甲状腺機能亢進、代謝性アシドーシス、敗血症など恐ろしい疾患がラインナップされるかと思います。
なので、検査はどの疾患を除外するためにしたのかを必ず聞いています。
ありがちなのが、
「血液ガスをとったら、呼吸性アルカローシスでした。」
という感じで、なんにもマネージメント変わらないじゃん。みたいな。
そりゃ過呼吸だからアルカローシスでしょうよ。
じゃあ、その検査いる?って、老害と思われそうなことも言っちゃいます。。
血液ガスを見るのは、実は糖尿病性ケトアシドーシスなど代謝性アシドーシスがメインであって、その代償に呼吸数が増えているのを除外した、とそういう発想が大事だと思います。
ともすれば、過換気セット、みたいな感じで、検査をするために検査をしているみたいなことが多いです。
マネジメントが変わらないとしても、頭を回転させなきゃと思います。
研修医の脳がとろけないように、どの検査でどの疾患を否定しているのかは、常に意識させてあげなきゃいけないな、この前思いました。
個人的には、過度の頻脈なくて、急性発症で、胸痛とかなくて、発症から30分くらいで改善傾向にあって、40歳以下で他vital(SpO₂もふくめ)が正常なら、検査せずに一旦、個室に移動、本人の希望あれば、付き添いのかたに見守ってもらいます(たまに、付き添いが親とか恋人で、その方とけんかして発症した過呼吸の方とかいるので、その場合には、別室でまってもらうこともあります。)。
みんなどうしてるんでしょ。
UpToDateみたら、鑑別とか、治療にSSRI使うとか書いてるけど、そんなにマネジメントは載ってないし、過呼吸を熱く語る人もいないし、みんなそんなに困ってないし、て感じですよね。
あと、過換気の方の採血で偶発的にみつかった低P血症でコンサルトがきたことがありました。
何か鑑別ありますか?
ないです!
呼吸性アルカローシスはATP生成などの不思議な力で細胞内シフトを起こして一過性に低P血症になるので、別に介入不要です。
一回だけ過換気と思ったら肺塞栓の人がいて、そこからピルを飲んでいるかどうかは女性みんなに聞いています。
じゃあ飲んでいると言われたときに、マネジメントを変えているかというと、そうでもないです。。
まあ、ほとんどの場合大丈夫ですけど、やっぱり落とし穴がある病態は意識してやらなきゃいけないですね。
アルコール飲みすぎと思っている意識障害とかも。
とにもかくにも、脊髄反射で診療しないように心がけたいです。なるべく。
ではまた。
結論:エヴァのカヲル君みたいな、口づけペーパーバッグは禁忌です。