2024/06/11

投稿日 2024/06/11

急性リウマチ熱は診断できる気しない

スミヨシです。




みなさん、リウマチ熱を目の当たりにしたことはありますでしょうか。

「溶連菌ってなんで抗菌薬の投与期間がながいでしょうか?」

といわれたときにお馴染みのあのリウマチ熱です。
実際はリウマチ熱を防ぐことより扁桃周囲膿瘍の予防をしている役割が大きいのでしょうが。

さて、そんなリウマチ熱ですが、正直見たこともないし、症状もよくわかっていないなあって感じです。
溶連菌も増えてきたことですし、知っておいても損はないかもしれません。
小児科に多い疾患だとは思いますが、ひとまず調べてみました。

急性リウマチ熱


A群溶連菌(GAS)感染症から、約1-5週以内 (多くは2-3週) に続発する発熱・関節炎・心炎・小舞踏病・輪状紅斑・皮下結節などの症状を呈する非化膿性炎症

症状・診断

症状に関してはRevised Jones Criteriaの項目が、目立つ症状なのかと。

Revised Jones Criteria

Major
・carditis(心炎、でいいんでしょうか): 50-80%
・多関節炎: 60-80%
・小舞踏病 ※原文 Chorea: 10-30%
・有縁性紅斑・輪状紅斑: <6%
・皮下結節: 0-10%
Minor
・多関節痛
・発熱 (38.5℃以上)
・ESR 60以上 or/and CRP 3.0 mg/dl以上
・心電図のPR延長

皮疹ってすくないんですね。。
関節炎は移動性で大関節炎とのこと

日本は低リスク地域の基準でよくて

初回:Major2項目 or Major1項目+Minor2項目
再燃時:Major2項目 or Major2項目+Minor1項目 or Minor3項目

で診断基準をみたします。

心炎っていう表現ですが心内膜炎が多い、でいいんでしょうか。

日本において診断するには明らかに溶連菌陽性、咽頭炎の既往があるか、ASOの上昇があってほしいっすね。たぶん。

治療

各症状に対しては、ふわふわしてると思います。

関節炎→NSAIDs
心炎→ステロイドが取り上げられるけど、効果があるという証拠はない(けど投与されることが多い?)
舞踏病→自然に治まるけど、カルバマゼピンやバルプロ酸が使われる?重症例はステロイド?

ステロイドは実際に診たこと無いので使用する温度感がわからないですねー。
日本の文献はだいたいステロイド書いてる気がします。

抗菌薬はある程度決まってそうです。

一次予防
・ペニシリン筋注(27kg以下は60万単位, それ以上は120万単位単回)
代替としては溶連菌の咽頭炎の治療と同じようにアモキシシリンやバイシリン10日間でよいのかもしれません。

二次予防
・抗菌薬投与
-日本だとバイシリン内服かアモキシシリン内服でしょうが、二次予防も本当にそれでいいかは不明。でも代替薬もないか。。

心炎発症→心後遺症(弁膜症)あり:10年 or 40歳までの長い方
心炎発症→後遺症なし:10年 or 21歳までの長い方
心炎なし→5年 or 21歳までの長い方

期間ながいっすねー

おまけ
雰囲気をつかむためにMKSAP19をみてみました。

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Extension Questions Set 2
Rheumatology
Question 7を参照

18歳女性
38.5℃の発熱と両肘、手首の圧痛と腫脹
両肘頭に複数の痛みを伴わない結節
ESR 55 WBC 12500 ASO上昇 咽頭培養ではGAS陰性
診断は?
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いやあ、これはリウマチ熱っすねー!!
なんたってASO上昇でMajor 2項目満たしますからねー!!

あとは成人のリウマチの経過の報告もありました。
これよくASOとったなあってのが本音ですが。


そういうわけで急性リウマチ熱はやっかいなので溶連菌はきちんと治療しよう、ということでしょうか。
成人の場合、溶連菌の情報なしで受診した際に、パルボウイルスB19と鑑別するの難しいのでは、とか考えたけどどうなんでしょうか。
あと、溶連菌感染後反応性関節炎との鑑別はしらん。こっちは小関節と書いてるけども。
JIAとの鑑別はもっとしらん。

ではまた。

結論:実際はASOのcut-off値が分からなくて詰む。