2024/07/06

投稿日 2024/07/06

Candida属に対するmicafunginとcaspofunginのMICのギャップってなに?

スミヨシです。




先日、他院とのカンファレンスで、

「このCandida、ミカファンギンとカスポファンギンのMICのギャップがあります」

という指摘がありました。

何を指摘しているのかもよくわからなかったので、聞いてみましたが、自分で調べるように言われました。

結果、本当にわからなかったのですが、調べた内容を羅列します。


Candida属に対するcaspofungin(CPFG)のブレークポイント


あんまり認識していなかったですが、そもそもEUCASTのCandidaのブレークポイントの欄にはCPFGの欄は全て「note」になっていました。
曰はく、

"3. Isolates that are susceptible to anidulafungin as well as micafungin should be considered susceptible to caspofungin, until caspofungin breakpoints have  been established. EUCAST breakpoints have not yet been established for caspofungin, due to significant inter-laboratory variation in MIC ranges for caspofungin."

と記載。
anidulafunginに感受性があれば、感受性はあると判断するけど、CPFG自体のMICは検査室間でばらつきがあるとのことでしょう。


Micafungin(MCFG)のMICでも代用できる可能性が高いとのこと。



CPFGのMICがばらつきの多い理由としては、以下が推測されています。

・caspofungin powder source
・stock solution solvent:溶媒
・powder storage time length and temperature
・MIC determination testing parameters


C. parapsilosis以外ではdisk diffusion testで22mg以上であれば、概ね感受性株かもしれない。


そういうわけで、MCFGとCPFGのMICのギャップというよりはCPFGのMICは当てにならない、ということなのでしょう。
たぶん。おそらく。きっと。そういうことでしょう。

anidulafungin, もしくは日本ではMCFGの感受性がよければCPFGを使用してもいいのかもしれません。
ではまた。

※追記
MICプレートがtreated polystyreneかどうかで変わるかも

結論:カスポファンギンをいつ使うかは全く知らん!!!