スミヨシです。
昔、違う科で入院していた患者の対応をしていて、こんなのもあるのね、と勉強になった症例です。
最近話題になったので、改めて調べてみました。
※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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80歳男性
脳出血後寝たきりの方。喘息やCOPD、心不全の既往なし。
誤嚥性肺炎で入院。絶食管理で抗菌薬投与。
嚥下機能改善とぼしく、経鼻胃管挿入し、転院調整
肺炎は改善したが、入院2週間後から頻呼吸+喘鳴
Xp、CTでは肺野に異常なし
鑑別は?
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STさんからリハビリDrに相談、Sofferman症候群が疑われ、耳鼻科紹介。
ソルコーテフとアンピシリンスルバクタム投与開始され、経鼻胃菅を抜去
両側声帯麻痺、披裂部の浮腫があった。
気管切開は施行しなかった。
Sofferman症候群(Nasogastric tube syndrome)
経鼻胃菅留置者にまれにおきる、両側の声帯麻痺、周囲の浮腫、気道閉塞。
1981年、Soffermanらによって提唱(こういった病態が起こるのはそれよい以前に示唆されていたみたい)。
嚥下の際に喉頭部が経鼻胃菅と擦れる、輪状咽頭筋の収縮で輪状軟骨後板に刺激が入る、仰向けの患者で、経鼻胃管が輪状軟骨と頸椎にはさまれる、などで起こると考えられている。
(Ann Otol Rhinol Laryngol.1981;90(5 Pt 1):465-8.)
経鼻胃管を入れてから7-34日で発症。12時間程度でおきるものもあるかも
(臨床神経 2015;55:555-60 )
治療
NGチューブ抜去は病態上必須、気道閉塞あれば気管切開術
慣習的に、PPI、抗菌薬、ステロイドが投与されるが、定まった治療方法はなし
(Head Neck 2001; 23: 59–63. )
知らないと、耳鼻科コンサルトが思い浮かばないかもしれないので、知っておいてバチはあたらないかもしれません。
治療方法はなんともいえません。日本では喉頭浮腫に対するステロイドが耳鼻科領域でよく使われていますし、実際に自分が当たったら投与することになるかとは思います。
抗菌薬も、どれほど有効化はわかりません。。
日本の文献を調べる時には、NGチューブ症候群でしらべると、それなりに出そうです。
臨床蓄積もすくないですが、病態が有名ではないので、過小評価されていることも示唆されているので、もし見かけたらケースレポート書けるかもしれません。
人にいっておいて自分は何も書いていない始末です。すみません。論文かいたら専門医くれるとかなら急いでかけるのですが。。
ではまた。
咽喉頭異常感症とかこそ、総合内科が輝ける疾患だと思う
専門医をとらずにふらふら内科をしている私が、医学ガチ勢を目指すブログです。