※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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すでに精査されてるし何をすればいいんだ、となってしまうかもしれません。
説明を処方してあげたいところです。
以下の疾患を鑑別にあげました。
咽喉頭異常感症(globus hystericus)
ヒステリー球症候群ともいわれる。
のどの違和感、圧迫感という症状。
嚥下困難は通常伴わない。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、咽喉頭腫瘍でも起こるようですが、それを除外したものを「真性咽喉頭異常感症」というらしいです。
診断
決まった診断は無く、除外診断
鑑別診断はUpToDate®によると以下の通り
以下を満たす必要あり
(Gastroenterology . 2016;150:1368-79)
▼身体診察、喉頭内視鏡検査または内視鏡検査で病変が確認されない、持続的または断続的で非疼痛性の喉の腫れまたは異物感を伴う
▼食事と食事の間にその感覚が生じる
▼嚥下障害または嚥下困難がないこと。
▼食道近位部に胃ろうがないこと。
▼GERDや好酸球性食道炎ではないこと
▼主な食道運動障害(アカラシア、esophagogastric junction outflow obstruction、遠位食道痙攣、jackhammer esophagus、蠕動運動の欠如)がないこと
▼診断の6ヶ月以上前に症状が出現し、過去3ヶ月間基準を満たしている
治療
UpToDate®より。
PPI 6-8週 GERDに準じて
PPIで改善しない場合やパニック障害やうつなどの合併例はイミプラミン25mgやアミトリプチリン25mgなどの抗うつ薬を使用
日本では半夏厚朴湯の使用も検討
実際のところ
実際にはLPRD(咽喉頭逆流症)を否定できないですよね。。
なので、個人的にはLPRDの対応をしつつ、半夏厚朴湯を処方しちゃいます。。
診断まで時間がかかる可能性を説明
↓
上部内視鏡、喉頭内視鏡をしていただく
DISHや茎状突起過長症や甲状腺あたりはできれば画像評価
その間半夏厚朴湯を処方しておく
カフェイン、アルコール、チョコレートを減らしていただく。
↓
あまり改善なければPPIを検討
なんて順番で治療と説明をしております。
あぶれがちな疾患ですが、消化器内科と耳鼻科の先生が悪いわけではないですので、こういった狭間の症例に関われてこそ総合内科かなあ、と思っています。
概念を知らない疾患を少しでも減らしていきたいものです。
冒頭の症例は半夏厚朴湯のみで改善しました。
ではまた。
結論:「梅核気」とかいうクソカッコいい言い方もあるぞ!!
【症例】経鼻胃管挿入後の呼吸困難
STさんからリハビリDrに相談、Sofferman症候群が疑われ、耳鼻科紹介。 ソルコーテフとアンピシリンスルバクタム投与開始され、経鼻胃菅を抜去 両側声帯麻痺、披裂部の浮腫があった。