スミヨシです。
突然ですが、成人のALP(アルカリフォスファターゼ)低値といえば何の疾患を疑いますか?
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ALP低値は亜鉛欠乏を疑え
というわけでALP低値は亜鉛欠乏かもしれません。
ALPは亜鉛欠乏の際に低下し、亜鉛が改善するとALPも改善することがわかっています。
(Am J Clin Nutr.1980;33:2609-12)
日本臨床栄養学会という団体がつくった亜鉛欠乏の診断基準は以下の通りです。
1. 下記の症状/検査所見のうち 1項目以上を満たす
1) 臨床症状・所見 皮膚炎,口内炎,脱毛症,褥瘡(難治性),
食欲低下,発育障害(小児で体重増加不良,低身長),性腺機能不全,
易感染性,味覚障害,貧血,不妊症
2) 検査所見 血清アルカリホスファターゼ(ALP)低値
2. 上記症状の原因となる他の疾患が否定される
3. 血清亜鉛値
3-1:60μg/dL 未満:亜鉛欠乏症
3-2:60 ~ 80μg/dL 未満:潜在性亜鉛欠乏
4. 亜鉛を補充することにより症状が改善する
Definite(確定診断):
上記項目の 1.2.3−1.4 をすべて満たす場合を亜鉛欠乏症と診断する.
上記項目の 1.2.3−2,4をすべて満たす場合を潜在性亜鉛欠乏症と診断するProbable:亜鉛補充前に 1.2.3.をみたすもの.亜鉛補充の適応になる
研修医にはよく、亜鉛欠乏を見つけても全員に補充すればいいってものでもないので、有症状の人に限定しよう!とは言います。
この基準だと無症状でもALP低値なら治療してもいいことにはなりますね。。
ただ、亜鉛欠乏のむやみな治療は銅欠乏の原因になりますので、要注意です。
褥瘡患者とかでALP低値なら、測定してもいいかもしれませんね(当然測定せずとも低いでしょうが)。
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専門医をとらずにふらふら内科をしている私が、医学ガチ勢を目指すブログです。