スミヨシです。
人生で一回だけ、患者の採血取り違いにデータをみて気づいたことがあります。
実際にどれくらいあるかはわかりませんが、気づかれていないこともあるかもしれません。
救急で起きたらだいぶ厳しいと思いますが、病棟の自分の患者なら気づくほうがいいかと思いますので調べてみました。
なんて、まあ、調べてみましたがあまりヒットしませんでした。
少し面白そうなのがありましたが参考になるかどうか。。
機械学習を用いた検査結果からの患者取り違え採血検出手法の検討
(2019年度人工知能学会全国大会(第33回))
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2019/0/JSAI2019_2N3J1303/_pdf/-char/ja)
誤った患者からの採血は0.1-0.3%に生じる
(Arch Pathol Lab Med.2010;134(2):244-55. )
(Arch Pathol Lab Med.2017;141(6):813-23. )
この論文では、筆者の院内の患者採血データを7年間取得し、実際の取り違いを想定し、同一部署内のデータをいろいろなモデルを用いて疑似的な取り違いを作り、それを機械学習でひっかけられるか、というものなのかと思います。
で、結論としては
・MCV
・MCHC
・Cre
が個人的差分が少なく重要である、とのこと。
まあ、筆者の求めるアウトカムと私の知りたいアウトカムが違うので弱いですね。。
CreはAKI起こすと容易に変わりますから市中病院じゃ難しいですね。
MCVはいい感じと思います。輸血など大量に行っている症例でなければ変動しませんもんね。
他はみつかりませんでした。。
そりゃまあ、一般化しづらいテーマですし、ケースレポートも書きにくいですもんね。。
治療していないデータや、患者状態が変わっていないのに妙に上がり下がりするデータがあれば要注意でしょうか。
ちなみ日本経済新聞には、
「腎機能障害で貧血がある患者の血液検査データに基づき別の患者に輸血が実施されたケースでは、取り違えられた患者の検査データが翌日に劇的に改善したため、誤りに気付いたという。」
なんてのが載ってました。(検査で血液取り違えが5件 国内2004年以降)
札幌の師匠の言葉に
「施行した検査には責任をもちなさい」
というものがありまして、採血をしたけど、全然見ていないこともざらにあるのを注意してました。
ウソだろ、なんて思うけど、たとえば肺炎で入院の患者、入院時から2日後の採血でNa136⇀147にあがっていても、うちのカルテじゃ正常範囲⇀正常範囲なので気づかないもんです。
とりとめもないことばかりですが、人間がかかわる以上、必ず起きる事象ですので、最後の砦である医師が気付いて挙げられれば、と思います。
ではまた。
結論:地域医療していると、外来患者や病棟患者の苗字が3人同じとかザラだし、ガチの同姓同名がいるから、島の人とかキラキラネーム付けるべきだなと少し思う。
【PG?BG?BS?】血漿血糖と血清血糖の違いは?
大きな医療事故にはつながらないとは思いますが、血清血糖は忘れて結構、と返事しました。