スミヨシです。
メトロニダゾール。
いわゆる嫌気性菌に対する特効薬的存在ですが、神経症状が出やすいです。
とくに、「メトロニダゾール脳症」なんか思いつかないと全然診断に結びつかないと思います。
メトロニダゾール脳症自体は、もしかすると用量依存かもしれません。
(Int J Infect Dis. 2008;12:e111-4)
それならばメトロニダゾールの投与量を減らすことができれば脳症も減らせるかもしれません。
メトロニダゾール 1回500mg 1日2回 vs 1日3回
(Anaerobe.2021;71:102378. )
85例の嫌気性菌菌血症に対する retrospective chart review.
32例が1日3回 53例が1日2回
併用薬はCTRX、CAZ、CFPM、CPFXが多かった。
3回群で2例、2回群で8例、単剤使用だった。
3回vs2回
30日死亡率:15.6% vs 9.4%(p=0.492)
入院日数(中央値):9日 vs 8日(p=0.271)
いずれも有意差はなかった。
制限
・3回か2回かはその時の処方した人間の好みによるので、もしかすると3回群が重症だったかもしれない。
・一部のBacteroidesはCTRXやCPFXに感受性があったかもしれない
まとめ
まあ、正直自分の施設が嫌気性菌に対しては1日2回で使用することが多いので、大丈夫だろう、という肌感覚があります。
この論文だけで導入するのは難しいかもしれませんが、副作用リスクを減らせる、というのとアネメトロ®のコストを抑える事ができる、という点からは試してみてもよいかもしれません。
ではまた。
結論:ELTのfragileは"フラジャイル"だと思うけど、フラジール®を検索すると必ず出てくる。