2023/11/30

投稿日 2023/11/30

【未解決】妊婦に対するセフトリアキソンは出生児の核黄疸を増やす?




スミヨシです。

セフトリアキソンは無人島に持っていきたくなるくらい便利な抗菌薬の一つです。
1日1回投与でいいですし、髄液移行性もいいですし、大抵の市中感染症の起因菌をカバーしますし、リトマス紙。

さて、そんな便利なセフトリアキソンにもいくつか弱点があります。
その一つは新生児に使用しづらい点です。


一般的に、新生児に対するセフトリアキソンの使用は核黄疸のリスクを上昇させることが知られています。

核黄疸はいわゆるビリルビン脳症、ですね。

で、妊娠中の母体の細菌感染の際、よくペニシリン系やセフェム系を使用すると思いますが、その際にセフトリアキソンを増やすのか気になりました。

妊娠中のセフトリアキソン
結論からいうと、核黄疸を増やす、という証拠はありません。

そもそもが核黄疸の話題をしている文献は少なそうです。

”Ceftriaxone should be used cautiously at term due to the potential risk of kernicterus in neonates. "
→新生児の核黄疸の潜在的なリスクだし、分娩の際には気をつけて使うべき

という記載だったり、

Cephalosporins are another group of first-choice antibiotics that work similarly to penicillins. One of the most prescribed of this class is cephalexin (Keflex). Most cephalosporins are also considered safe antibiotics during pregnancy. 
One exception is ceftriaxone. Ceftriaxone is a cephalosporin that's given into your vein. It can be used throughout most of pregnancy. But your healthcare team should try to avoid it close to the time of delivery. This is because ceftriaxone late in pregnancy could cause a condition called kernicterus. Kernicterus is a severe form of infant jaundice. It can cause brain damage and other long-term health problems.

→セファロスポリンは妊娠中安全だけど、セフトリアキソンは出生間近の使用は避けるべき

という記載はありました。


多分妊娠中は、もろもろの代謝は胎盤を通じて母体がしてくれているから、出生前の胎内で核黄疸になる、とかセフトリアキソンが蓄積する、みたいなのは無いはずです。。よね?????

本当になんの根拠もないのですが、妊娠中のセフトリアキソンは妊娠30週くらいまでは普通に使おう、投与中に出産する可能性があるなら代替薬を使おう、でもよいかな?根拠が無さ過ぎですね。。多分この状況で核黄疸になったという報告はありません。


ではまた。

結論:ストレッチマンの直接ビリルビンは100000mg/dl らしい