※2020年12月に書いた記事です。
40代男性、先天性疾患の影響で発達障害の腸瘻の方で鉄欠乏性貧血の方が外来にきました。
手紙をもっています
・肺炎をよく起こす方で、腸瘻は喀痰が増えたときに作成した(来院8か月前。)
・胃に異常があるわけではなく、解剖学的に胃につくるのが難しかった
・食事にも偏りがあり、経口も腸瘻も両方使用することがおおく、鉄欠乏性貧血は、成長期より継続してあり、ずっと鉄剤を飲んでいる
・腸瘻増設してから、6か月でHb低下、鉄欠乏性貧血が進行。
フェロミア50mg/day→200mg/dayに増量しても鉄欠乏が改善しない
上部下部内視鏡では異常なし。怠薬もなし。
採血はHb7台、MCV60台、Fe 10以下 TIBC上昇、フェリチン10以下
さて、みなさんどうしますか。
※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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問診してみると、腸瘻増設してから、フェロミアを口腔から投与→腸瘻投与に切り替えたみたいです。
経口投与、フェロミア50mgに戻したら、速やかに貧血改善しました。
鉄って、十二指腸で吸収されるので、腸瘻を十二指腸より肛門側の空腸で作ってると、体内に吸収されづらいですよね。
したがって、胃瘻ならうまくいくとは思いますが、腸瘻の方の鉄剤は注意を。
疾患群的に、腸瘻造設している方に鉄剤を投与する場面は限られているかもしれませんが。
あと、これは調べてもあまり出ないのですが、抗菌薬も、点滴ではうまくいってたのに、腸瘻からだとうまくいかないことがありました。
もちろん、bioavailabilityの関係かもしれませんが。。
たぶん、メトロニダゾールみたいに腸肝循環する薬やバンコマイシン内服みたいにそもそも吸収されることを想定していない薬剤ならうまくいくかもですけど、通常の抗菌薬ならなるべく点滴で投与の方がいいんですかねえ?
いずれにせよ、腸瘻の方の内服薬があまり効果がないときはもしかすると、吸収の問題があるかもしれない、と一考する価値はあると思います。
この症例も、どこかに出さきゃいけないな、とは思っています。。
コロナの忙しさにかまけてごまかしてますが、論文何それ状態なので、ちょっとそろそろだめだなとおもいつつ、2020年が終わりそうです。。
時間ないとかじゃなくやるきの問題なんですよね。
論文書いたら専門医もらえるならがんばれるのに。
厚生労働省さんなんとかしてくれませんかね。。
結論:ブログでは専門医とれないという説がある。
消化管出血の時のフェジン®、ありなのかもしれない
なので、胃潰瘍起こした後フェジン言ってる人みると、ああ、なんにもわかってないなあ、なんて思ってました。 でも、最近少し考え方が変わりました。