2024/08/11

投稿日 2024/08/11

食道の魚骨の確認はCTがXRに勝る

スミヨシです。



この前久々に魚骨による食道異物をみました。

みただけで内視鏡の先生に対応をお願いしたわけですが。


正直消化管の異物の確認はCTでいいと思っていますが、もしかしてXRでもよいのかなあと思って調べてみました。


CTはXRにくらべて魚骨の確認に有用?

調べてみたら魚骨関係はアジアが多く報告しています。

Proposal for methods of diagnosis of fish bone foreign body in the Esophagus

Laryngoscope.2015;125:2472-5.

魚を食べた後の異物感を主訴に韓国の救急orクリニックに受診した286名

198名は口腔や咽頭に魚骨があった。

口腔や咽頭に異物がみえず、症状が持続する88名を対象にXR+CT

66例が画像で魚骨を確認できた。

40例が通常の魚骨 22例がえら 4例が顎骨


CTは65/66例 (98.5%) で検出

XRは30/66例 (45.5%) で検出 

先行研究ではXRの感度は23.5–54.8%でその範疇に入っている。

※存在したかは不明だがCTでもXRでも確認できなかったけどほんとは魚骨のある症例は分母から抜けているので真の意味での感度はこの研究では出せない。


ちなみに原文を読めなかったのですが、日本の研究で、水袋に魚骨をいれてXRとCTを撮像したらCTはよかった(?)というのがあって興味深いです。

※この論文はそもそもは32人の患者に内視鏡検査⇀実際に骨があった25例を対象。XRではこのうち14例で骨が観察できなかった、というもの。

(J Laryngol Otol.1998;112:360-4.)


まとめ

そういうわけで、まあ、こんなの研究にするまでもなくCTの感度がよさそうというのは分かったうえで、こういった研究があるのは心強いですね。

魚骨による食道異物には胸をはってCTを撮像しましょう。

症状やvitalでスクリーニングできるのかもしれませんが、消化管穿孔や膿瘍の合併例もあるのでそういった点でもCTがよいと思います。


あと私は全例内視鏡が必要と思っていますが、どういった症例で経過観察が可能かはよくわかりませんでした。

ではまた。


結論:フィッシュボーンDのDは意味不明