スミヨシです。
ザ!世界仰天ニュースの「脱ステロイド」のエピソードが話題になっていますね。
20代女性の肌が、肌荒れが起きて、外用ステロイドで改善しない、そこで「脱ステロイド療法」を行ったところ一時悪化したものの、結果的には元通りの肌に治った!なんて内容です。
それに対して近畿大学の大塚教授がBuzzFeedの記事で反論、その後日本皮膚科学会などが抗議を行い、日本テレビが謝罪をすることになりました。
当然しかるべき抗議で、監修医師もいわくつきの先生ですし、すぐに各学会が抗議したのと、日本テレビの謝罪の早さには(内容はさておき)感心させられました。
さて、もろもろ抗議文など読んで、自分が監修医師ならどうするでしょうか?
普通恐れおののき、反省や後悔をするでしょうが、こういう独自の治療らしき行為をしているひとなら、心ずぶとくできてるので、反論しますよね?
なので、この抗議文に反論するするところがないか探しました。
すると、以下の文章をみつけました。
「2021年9月7日に放送された日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」のなかで、「ひどい肌荒れがまさかの方法で回復」との番組がありました。
そのなかには、「ステロイドは本来体内で作られるが、ステロイド薬の使い過ぎにより体内でステロイドが作られなくなった。」(23:53)
や、
「再び体内で作られるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」(24:09)といった、科学的に明らかに根拠のない内容もあり、患者さんへの悪影響が懸念されます。」
この文章で、あるクリニカルクエスチョンが芽生えました。
「ステロイドは本来体内で作られるが、ステロイド薬の使い過ぎにより体内でステロイドが作られなくなった。」
って多分副腎不全のことですよね。
「再び体内で作られるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」のところはちょっと隠しておきます。。
外用ステロイドって副腎不全起こさないんですかね?
外用ステロイドで副腎不全は起きるか
小児で局所投与のステロイドでの副腎抑制(視床下部-下垂体-副腎の抑制)はある。
ステロイドの強さが増えると、副腎抑制の可能性あがるが、弱い力価のステロイド外用薬使用で、臨床的な重大な副腎不全を起こすことはきわめてまれ。
(Horm Res Paediatr 2018;89:389–396)
顔に使用するステロイドって基本weekとかでしょうから、そうそう副腎抑制しないでしょうね。。
局所ステロイドによる副腎抑制のリスクファクター
・高力価ステロイドの使用
・閉塞部位や長期間の治療
・皮膚の薄い部位での使用な
・乳幼児
・皮膚バリアが損傷している患者
※まれな例外を除き、副腎不全として治療は不要とも記載あり
まあ、探しましたけど、ある程度副腎機能の抑制はあってもいいかもしれませんが、副腎不全まできたすことはそうそうないでしょうね。。。。
というわけで反論できません!!全力謝罪待ったなしです!!!
探したらケースレポートくらいみつかるかもしれませんが疲れました!!!
ではまた。
結論:全部かは知らんが脱ステロイド療法はウソ