我が福知山も、例に漏れずCovid-19 の波に埋もれています。
終末期患者のCovid-19の方がいたとして、どこまで治療するでしょうか。
終末期なら治療しない?
終末期患者の肺炎に関しては、治療しない、というのも選択肢と思います。
日本呼吸器学会の成人肺炎診療ガイドライン2017にも、治療しないという選択を考慮してよいと記載があるのは有名です。
では、終末期患者のCovid-19が発生した場合、治療しない、という選択肢はありでしょうか。
もちろん、様々な考えがあってよいと思います。
個人的には、終末期であってもレムデシビルやロナプリーブ®投与はそれなりに積極的に考慮してよいと思っています。
理由は2つです
①ウイルス排泄量を減らすことができる。
こと、Covid-19に関して、感染対策の大原則は医療者の感染リスクを極限までゼロに近づけることだと思います。
もちろん適切な防護をしていれば防げますが、患者からのウイルス排泄が減らせるならそれに越したことはないと思います。
発症早期であれば、レムデシビル投与を考慮してよいと思います。
また、ロナプリーブもウイルス量を減らします。
(Med Lett Drugs Ther. 2020;62:201‒2.)
皮下注もウイルス量を減らすので選択肢になると思います(日本ではまだ適応外です)。
点滴と同じ量を4回にわけて皮下注になるか。
(NEJM.2021;NEJMoa2109682. )
酸素がついているならロナプリーブは使用できません。
この場合、ステロイドまで投与するかどうかは、相談になるかとは思います。
②隔離解除ができれば葬儀のスタイルもかわる
Covid-19の隔離期間に死亡されたときには、葬儀会社にもよるかもしれませんが、ご遺体を納体袋に入れて、その袋ごと棺に入れることになります。
顔が見えるタイプの透明なものもあるようですが、私自身は不透明の黒のものしか見たことがありません。
その場合は家族に顔を見ていただくことはできません。
同じ死亡するにしても、顔を見ることができる、面会できない、では大きな違いがあると思います。
広い意味では延命治療かもしれません。
ですが、個人的に終末期は、本人のケアも大事ですが、残される家族のケアも大事だと思っています。
なので、私自身は、浮腫増強などが強くなければなるべくCovid-19の治療は行い、長期的に救命が難しい症例でも隔離解除ができないか、は常に考えています。
そのためにカテコラミン使う、挿管するとかはしませんし、自分の中の曖昧な基準の上で、チームとも相談ですが。。
まあ、この辺りはどんなチームが診るかによりますし、今までそういうことを考えていたかどうかにもよりますし、正しい答えはないと思います。
今回の意見は所属する組織の意見は一切なく、私個人の意見です。。。
ではまた。