スミヨシです。
なんだかイベルメクチンが世間をにぎわせています。
とはいえ、多分コロナ診療の最前線にいる人間の中では、少なくとも勤務医として入院患者をメインで診ている医者の中では、全く話題にもならないのですが。
私のスタンスでは、今現在、Covid-19に対してイベルメクチンを使用する強い根拠が無いので使いません。
もし今後、イベルメクチンが効果的である質の高いデータが出れば、使用します。
全然掌返します。なんなら日本の治験うまくいってくれとすら思っています。治療薬が増えて死亡率が下がるならそんなにいいことはありません。
さて、イベルメクチンは抗寄生虫薬です。
寄生虫のなかでも糞線虫とか、疥癬とかに使用します。
糞線虫は徳之島(奄美諸島)でカルテや内視鏡画像を見せていただいたことがあります。
奄美大島や沖縄の60歳以上の方じゃないとなかなかお目にかからないと思います。
でも疥癬は結構出くわしますかね?私が今までいた病院では見ることはありませんでしたが、これも徳之島で出くわしたことがあります(当時は診断できなくて、大変もうしわけなかった)。
イベルメクチンの適応外使用が増えているせいで、疥癬の治療ができないならば、それはよくないですね。
CDCからは、Covid-19に対して使わないよう警告と、使用した患者の副作用や注意事項などが提示されています。
https://emergency.cdc.gov/han/2021/han00449.asp
そもそも寄生虫の分類とか気持ち悪いし、覚えなくていいと思います。
以前の記事でも扱いましたが、こんなに気持ち悪い学問がこの世にあるのが信じられません。
感染症を勉強するにあたって、唯一の後悔かもしれません。
それなのに。
福知山に来てからも、寄生虫を見かけます。
なんでや。
一般内科医が、寄生虫の治療など勉強するのはメモリーの無駄遣いなのでやめた方がいいと思います。
いや、てか、、僕は感染症好き好き大好きDrとしては勉強しなきゃいけないんですが、どうしてもやる気がでなくてしょうがないです。
それでも質問されてしょうがないので、さも知っているかのように、寄生虫薬物の手引きをさっと調べて答えています。
熱帯病治療薬研究班が作成しているもので、日本で寄生虫で困ったらこれを見ておけばまず大丈夫と信じています。
神様がつくったに違いありません。
もしくは、この論文です↓
Mayo Clin Proc.2011;86(6):561-583