2021/10/28

投稿日 2021/10/28

ワルファリンと相性の悪いフルーツ

スミヨシです。


前回がワルファリンの話題だったので、もう一つ。

徳之島、という徳洲会グループの聖地があるんですが、そこで経験した症例です。



※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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80歳女性 
5月の訪問診療
定期診察でとくに困っていないのでいつもの薬と採血希望
ワーファリン® 1mg/dayを内服(2年前から同量)
服薬コンプライアンスは良好

PT-INRが2月までは1.5-1.8程度
今回のPT-INR 3.6 APTT正常

さてどうする?
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この症例は、とりあえずワルファリン休薬して、3日後くらいには改善していて、特に大きなイベントもなかったのでよかったです。

さて、この方のPT延長の原因はなんでしょうか?



ワルファリンと薬剤・食物の相互作用

で、気になったのがマンゴーです。

徳之島は冗談抜きでそこらへんでマンゴーやパパイヤが自生しています。


徳之島のマンゴー・パパイヤ











で、この家にいったとき、マンゴーとヨーグルトを混ぜ合わせた食べ物をいただいたんですね。


ワルファリンがビタミンKで効果減弱するのは周知だと思います。

ただ、効果増大する薬剤や食物もあります。


Systematic overview of warfarin and its drug and food interactions

(Arch Intern Med. 2005;165(10):1095-1106. )


表はあまりに膨大でここには載せませんが、この中には多くのフルーツも載っています。

そしてマンゴーはワーファリン増強の欄にしっかり載っています。


まあ、推測の域を出ませんが、この方は自生マンゴーなどのフルーツをたべる春先には、ワーファリン効果増強しているのかもしれません。


昔、ドクターGでもこの話題ありましたよね。


というわけで、南の島で働くことがあれば、フルーツ×ワーファリンの相性が良い悪い、というのは覚えておいてもバチは当たらないと思います。


ではまた。



結論:徳洲会の理念では患者からの贈り物は受け取らないので、当然訪問診療でいただいたマンゴーとヨーグルトは、食べていません。