スミヨシです。
前回がワルファリンの話題だったので、もう一つ。
徳之島、という徳洲会グループの聖地があるんですが、そこで経験した症例です。
ワルファリンと併用注意の点滴は?
で、輸液にもビタミンKが入っているので、これも意識しておかなければならないんですけど、忘れがちですよね。。
※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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80歳女性
5月の訪問診療
定期診察でとくに困っていないのでいつもの薬と採血希望
ワーファリン® 1mg/dayを内服(2年前から同量)
服薬コンプライアンスは良好
PT-INRが2月までは1.5-1.8程度
今回のPT-INR 3.6 APTT正常
さてどうする?
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この症例は、とりあえずワルファリン休薬して、3日後くらいには改善していて、特に大きなイベントもなかったのでよかったです。
さて、この方のPT延長の原因はなんでしょうか?
ワルファリンと薬剤・食物の相互作用
で、気になったのがマンゴーです。
徳之島は冗談抜きでそこらへんでマンゴーやパパイヤが自生しています。
で、この家にいったとき、マンゴーとヨーグルトを混ぜ合わせた食べ物をいただいたんですね。
ワルファリンがビタミンKで効果減弱するのは周知だと思います。
ただ、効果増大する薬剤や食物もあります。
Systematic overview of warfarin and its drug and food interactions
( )
表はあまりに膨大でここには載せませんが、この中には多くのフルーツも載っています。
そしてマンゴーはワーファリン増強の欄にしっかり載っています。
まあ、推測の域を出ませんが、この方は自生マンゴーなどのフルーツをたべる春先には、ワーファリン効果増強しているのかもしれません。
というわけで、南の島で働くことがあれば、フルーツ×ワーファリンの相性が良い悪い、というのは覚えておいてもバチは当たらないと思います。
ではまた。
結論:徳洲会の理念では患者からの贈り物は受け取らないので、当然訪問診療でいただいたマンゴーとヨーグルトは、食べていません。