2021/11/21

投稿日 2021/11/21

溶連菌咽頭炎やインフルエンザの診療が、ロストテクノロジーになるかも

スミヨシです。


Covid-19の流行が始まって、もうじき2年ですね。

救急や内科外来はすっかり様変わりして、特に、「かぜ」を引く患者数は激減したかと思います。

そして、そういった症状の方も、Covid-19を疑い検査することになるでしょう。

そう、咽頭炎も副鼻腔炎も、上気道炎も、肺炎も、ひとまずはCovid-19を疑い、その結果が出てから考える、という診療がメインになっている感があります。

まあ、それ自体は致し方なし。

で、初期研修医と話していて、思うのが、市中の研修医すら、かぜ診療がうまくない、というか全然経験が無いですね

そりゃまあ、毎年インフルで忙しい、年末年始の救急外来がコロナ禍で、めちゃくちゃでしたから。


この前、京都と福知山合同で、インフルエンザのレクチャーをさせて頂いたのですが、インフルエンザを診たことのある研修医はいませんでした。

すごいことですよね。

煽りとかではなく、時代がかわっているのかと思います。


以前、若年者の発熱で救急から相談がありました。


20代の男性、39℃の発熱と咽頭痛

咳はなく、前頸部に圧痛あり

新型コロナの接触はなさそう。

で、咽頭を診たら、白苔を伴う腫脹発赤がありました。


ちょっと、Centorスコアど真ん中過ぎましたが、指導もかねて迅速検査採りましたが、やはり陽性でした。

A群溶連菌咽頭炎の診断でアモキシシリン処方して帰宅となりました。

研修医の先生からは尊敬(?)されましたが、コロナ以前なら当たり前にいた溶連菌咽頭炎も、そういえば成人では診なくなりましたね。

Centorスコアとかも、もはや意識されなくなっていますね。



東京都感染症情報センター(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/group-a/group-a/)

東京都の溶連菌の定点報告も減っています。
まあ、これは成人のデータではないですが。。

コロナ禍になって、感染リスクを考えると、発熱患者の のどをしっかり診るって減ったと思います。
感染リスクを考えると、これも致し方なしと思います。

その影響や、患者数が減った影響で、インフルエンザ診療や溶連菌診療はロストテクノロジーになってきてますね。。

私の育った環境では、1年目の時に、2年目の先生から上気道炎や咽頭炎などの診察を教わり、それをまた後輩たちに伝える、という動きが多かったです。
ただ、今の1-2年目の先生たちは全国どこも、一回も溶連菌もインフルも診たことない先生で、あふれかえってますね。
ちょっと日本全体で風邪の診かたが、レベルダウンする気がしています。

一応、札幌の師匠も京都のボスも風邪に精通した先生方なので、弟子の私も後輩たちに指導しなければならないな、と感じています、
そのうち溶連菌、インフル、まとめますかね。。

ではまた。


結論:ロストテクノロジーってとにかく使いたかっただけ