2022/02/15

投稿日 2022/02/15

血液培養のStaphylococcus lugdunensisは要注意

スミヨシです


血液培養から、1セットだけGPC-clusterが検出されたとき、まず皆さんの頭の中には何がうかぶでしょうか?


私はやっぱり、それが黄色ブドウ球菌(S.aureus)か、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)か、です。

だってMRSAならやばいし、CNSならコンタミぽいですもんね。


ただ、CNSの中でも、S.aureusと同様に毒性の強い菌がいますが、知っていますでしょうか?

 

それがStaphylococcus lugdunensisです。


Staphylococcus lugdunensis

昔はラグドネンシスと呼んでいましたが、ルグドゥネンシス派が多そうなので、今ではそっちで読んでいます。

CNSの一つですが、皮膚、軟部組織感染症やIE、骨髄炎、化膿性関節炎などの起因菌となります。

(Cureus. 2020; 12(6): e8801.)

日本の菌血症の0.28%はS.lugdunensis

(Jpn J Infect Dis. 2017;70(4): 405-7.)

1セットのみ血液培養陽性でも、45%は真の菌血症かも。

(J Clin Microbiol. 2011;49(4): 1697–1699.)


日本では、相野田先生の発表、記事が一番多く、わかりやすくまとめられています。

これも参考にどうぞ。

→知っていますか?Staphylococcus lugdunensisという菌


感覚的には、真の陽性よりコンタミの方が多い、と思っていますが、見かけた際には少なくとも血液培養フォローはしています。

割と初見殺しだと思いますが、知っておいて損はしないと思います。

ではまた。


結論:ローマ帝国のガリア・ルグドゥネンシスという都市が多分この菌の名前の由来で、ロマンを感じる(ローマだけに)。