スミヨシです
血液培養から、1セットだけGPC-clusterが検出されたとき、まず皆さんの頭の中には何がうかぶでしょうか?
私はやっぱり、それが黄色ブドウ球菌(S.aureus)か、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)か、です。
だってMRSAならやばいし、CNSならコンタミぽいですもんね。
ただ、CNSの中でも、S.aureusと同様に毒性の強い菌がいますが、知っていますでしょうか?
それがStaphylococcus lugdunensisです。
Staphylococcus lugdunensis
昔はラグドネンシスと呼んでいましたが、ルグドゥネンシス派が多そうなので、今ではそっちで読んでいます。
CNSの一つですが、皮膚、軟部組織感染症やIE、骨髄炎、化膿性関節炎などの起因菌となります。
(Cureus. 2020; 12(6): e8801.)
日本の菌血症の0.28%はS.lugdunensis
(Jpn J Infect Dis. 2017;70(4): 405-7.)
1セットのみ血液培養陽性でも、45%は真の菌血症かも。
(J Clin Microbiol. 2011;49(4): 1697–1699.)
日本では、相野田先生の発表、記事が一番多く、わかりやすくまとめられています。
これも参考にどうぞ。
→知っていますか?Staphylococcus lugdunensisという菌
感覚的には、真の陽性よりコンタミの方が多い、と思っていますが、見かけた際には少なくとも血液培養フォローはしています。
割と初見殺しだと思いますが、知っておいて損はしないと思います。
ではまた。
結論:ローマ帝国のガリア・ルグドゥネンシスという都市が多分この菌の名前の由来で、ロマンを感じる(ローマだけに)。
Streptococcus anginosusと、S.andagiについて
専門医をとらずにふらふら内科をしている私が、医学ガチ勢を目指すブログです。