スミヨシです。
髄液検査で糖減少を見た際には、教科書的には、細菌性髄膜炎を疑うかと思いますが、実際には、ほかの疾患でも少し髄液糖が低いことを経験します。
髄液糖低下の鑑別
(Am J Med Sci.2014 ;348(3):186-90.)
▼感染
・細菌性髄膜炎(ノカルジア・ブルセラ含む)
・真菌性髄膜炎
・結核性髄膜炎
・アメーバ性髄膜炎
・CMV関連の多発神経障害、髄膜脳炎
報告があるが、非典型的なもの
・神経梅毒
・ライム髄膜炎
・ウイルス性髄膜炎
・神経嚢虫症
・CNSトキソプラズマ症
▼非感染
・癌性髄膜炎
・GLUT1欠損
・悪性リンパ腫/白血病のCNS病変
・SAH
報告があるが、非典型的なもの
・クラリーノ症候群によるコレステロール誘発性軟膜炎
・神経サルコイドーシス
・リウマチ性髄膜炎
・CNSループス
・神経ベーチェット
・Dermoid cyst
・中枢神経系の肉芽腫性血管炎
・悪性萎縮性丘疹症
髄液糖は細菌による消費以外にメカニズムがある?
細菌性髄膜炎で髄液糖下がるのは、細菌による消費だから、で学生時代覚えていましたし、キャッチ―で分かりやすいですよね。
ところがTwitterでこのようなものを見つけました。
細菌性髄膜炎で髄液中の糖が下がる〔hypoglycorrhachia〕理由ってご存知でしたか? え、バイ菌が消費するから? ワイと同レベルですね 🤤
— Noboru Hagino (@Noboru_Hagino) January 28, 2021
Thread by @tony_breu:
Why is cerebrospinal fluid (CSF) glucose low in bacterial meningitis?https://t.co/cDiLIjLyFC
リンク先を見るに、白血球や細菌による消費もありそうです。
ただ、それだけではなく、BBBの糖取り込みが抑制されるから、みたいなことだとは思います。
世の中知らないことが多いですね。
実際、髄液糖低値の鑑別が臨床の役に立つ場面は限定的ですかね。
細菌性髄膜炎以外でも、髄液糖は減る、と覚えておく程度でいいかもしれません。
ではまた。
結論:髄液と不利益で韻が踏める。