スミヨシです。
「AI」といえばartificial intelligenceが一番ポピュラーだと思います。
でも医学の世界で「AI」といえば、死亡時画像診断のことですよね。
救急の先生とかはこの分野得意かもしれません。
しかし、内科医がこの分野を勉強する機会は少ないですので、一度まとめてみました。
AIって何の略
これ結構言えない人多いと思います。
「オートプシー・イメージング」
これ最初に知ったの研修医の時で、カルテにAIって書かずにAutopsy imagingって書いていました。
完全にこじらせていた時期ですね。
AIはどの症例にとる?
個人的には入院患者が死亡されたときにはとっていないです。
救急外来での心停止では撮っています。
信頼できる学会かはわかりませんが、オートプシーイメージング学会が、ガイドラインを出しています。
内容はぱっと見、参考になりそうです。
【1】小児死亡全例(14歳以下)
診療の有無、死亡場所を問わない
【2】外因死およびその疑いがあるもの
・不慮の事故
・自殺/他殺
・死亡に至った原因が不詳の外因死
・外因による傷害の続発症、あるいは後遺障害による死亡
【3】診療行為に関連した死亡
・該当施設として死因究明にAiが必要と判断したもの
【4】死因が明らかでない死亡
・救急搬送、通院治療、老人施設、在宅介護等で死因不詳のものを含む
・病死か外因死か不明の場合
【5】その他
・医師が死亡診断書(死体検案書)の作成あるいは医学の発展のために必要と判断した場合
・遺族が死因究明を望んだ場合
・身元が明らかでない者の死亡
ひとまず、死亡診断書を書けない症例に、で良いと思います。
AIは実際に意味がある?
なかなか解剖の代わりにAI、というわけにはいかないかもしれません。
ただ、日本はあまり解剖をしない国なので、AIをとる場面は多いですし、少しはデータあるかな、と思って調べてみました。
PubMedでは、「mortem imaging」で調べるとよく出てきました。
放射線学(whole body CTorMRI)と、剖検によって特定された死因の不一致率
CTは32%、MRIは43%で、MRIの方が診断率は低い。
虚血性心疾患、肺塞栓、肺炎,は診断エラー率高い。
(Lancet.2012;379(9811):136-42.)
造影CTによるAIは心血管死に対する診断精度が高い
(PLoS One.2014;9(4):e93101. )
感覚的には、消化管穿孔みたいな明らかな腹腔内のイベントか、くも膜下出血のような頭蓋内イベントはわかるけど、それ以外は厳しい、なんて思っています。
私自身はAIで造影CTを撮像したことはないです。
もし機会があれば、とは思いますが、慣れていないと病院スタッフへの説明も難しいかもしれません。
もうすこしベテランになれば可能かもしれませんが。。
死因がわかるって、重要だと思っています。
気持ち的な面もそうですが、たとえば、家族が心筋梗塞で死亡した方の高コレステロール血症は、家族性高コレステロール血症としての対応が必要かもしれません。
腫瘍の家族歴も大事かもしれません。
なかなか日本の文化的にも、また病理医が少ない背景からも剖検が広がりにくそうですので、お世話になる機会は多いと思います。
ではまた。
結論:AIとクリスタルケイとsuperflyの歌や見た目での判別は不可能
心筋梗塞の造影CT所見
専門医をとらずにふらふら内科をしている私が、医学ガチ勢を目指すブログです。