2022/01/06

投稿日 2022/01/06

【症例】85歳女性 毎週月曜から火曜日に傾眠傾向

スミヨシです。


前回の症例の続きです。

できれば先にそちらを見ていただく方がよいかと思います。



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85歳女性 
メトホルミン中止し、2週後には退院。
その後施設入所したがその1週間後、家族に連れられ受診

ここ最近、体調が悪いことがある。
ずっとではなく、ほぼ1週間に1回
熱などは無く、傾眠傾向で食事もとらなくなる
ただ、症状がでて1-2日で改善してくる
⇀丁寧に聞くと、毎週月曜日の午後くらいから火曜日の午後くらいまで調子が悪い
受診日はまさに月曜日午後の救急外来
受診の際も車いすに座って寝ている。

さてどうする?
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前回のことがあったので、血液ガスを採取、アシデミアなどはありませんでした。
ただ、血糖が40mg/dlであり、ブドウ糖静注し、血液培養などなどとって入院しました。

血糖補正すると、意識は改善、食事は次の日から食べられるようになりました。
入院後ビーフリードでみていましたが、特に低血糖遷延は問題になりませんでした。
血液培養も陰性のまま、お薬手帳でもぱっと見てもメトホルミン再開もなく、なんだこれ状態でした。。



で次の日、看護師さんから、

サマリーに、トルリシティ®を打つように書いてるが、これはどうするの?

と連絡。

なんだと。。
施設に聞くと、メトホルミンやめてから打ち始めました、とのこと。


というわけで、GLP1作動薬を毎週月曜の朝に打っていて、その影響が疑われました。

退院後、再度お手紙を書き、ひとまず糖尿病治療はせずに、いかがですかという文面で中止にしていただきました。

トルリシティ®はお薬手帳に入ってなかったということでした。

トルリシティ単独では低血糖は起こしにくいとは思います。
ただ、消化器症状をきたすことが多く、本症例もそれらが相まって食事がとれず、低血糖をきたしたのかな、とも感じました。
なぜ水木金あたりで改善してきたのか、といわれるとちょっと分かりません。
直感的には打った日に血液濃度が上がって副作用でやすい、というのは納得はできますが。。

いずれにせよ、周期性の症状の中には、週1回や月1回の薬剤が悪さをしていないか、という観点があってもよいかも、なんて思いました。
ではまた。


結論:けだるい時に、冗談で嫁に、月1回だけ男の子の日がくる、という話をして、調べるとほんとにあるかのような記載がうじゃうじゃ出てしまい、それ以来嫁が月初めは、男の子の日だから気をつかってくれて気まずい。