スミヨシです。
新薬の情報とかって皆さんどうしてるんでしょうか。
私が3年目、総合内科医として赴任した際、それはまあ、なかなかの薬剤説明のオファーがありました。
そりゃまあ、当然です。今まで総合内科のまともな医師がいなかった病院に、突如3年目の医師が現れたんですもの。
いいお客さんか、あるいは鴨か、あるいはネギか、それはそれはたくさんの製薬会社からの薬剤説明のオファーがありました。
医師3年目のとある日、薬のデギュスタシオン(金芳堂)という岩田健太郎先生の著書のあとがきをみて、感銘をうけました。
内容としては、神戸大学感染症科ではMRとの面会禁止、彼らは商売のプロであって、その素人であるわれわれ医師は簡単に手玉に取られる、という内容でした。
・・・なんか違う気もしますが、そうとらえました。
それからはすべての製薬会社の面会をお断り、そうこうしているうちにコロナ禍になったのでもう私には新薬の説明など来ないでしょうね。
実際この選択は正しいと思っています。
困ったときに、つい名前だけ知っている薬剤に手が伸びることは少し止まるようにはなりました(たとえば、新規に時効型インスリンを出すときに、以前はランタスを出していました。今は薬価からグラルギンにしています。)。
そんなこんなで、新薬は基本使わずのスタンスをとっています。
でも最近はCovid-19の影響で、使わざるを得ない新薬もあります。
そうなってくると、まあ、MRから直接話を聞かなくてもいいとしても、他の新薬の情報とかも、頭に入れておいていいのかも、なんて気になっています。
で、この前、ボスから、バクスミー®の話を聞きました。
ざっくり、低血糖時の応急処置で使う、点鼻薬のグルカゴン製剤です。
もともとグルカゴンには注射がありますが、こちらの方が使いやすいですね。
もろもろ提示されているデータ的には、まあ、いずれにせよ低血糖発作を起こしたら、病院に相談なることも加味すると、応急処置的にはよいと思いました。
いや、データ出せ、てなるかもですが、そんなに大した比較試験もできませんし、なんか製薬会社の回し者になりそうなので、割愛で。。
特に、意識障害を起こす低血糖を起こす方や、小児では周りの方が使用できるのでいいかも、なんてぼんやり思っています。
で、まあ、こういう薬の情報、てか、医学の情報はTwitterで調べる時代なので、調べてみましたが、まま評判は良さそうですね。
薬価は8000円台と割高ですが、刺さるポイントはありそうです。
覚えておけばエピペン®みたいに使いどころのある薬だと思います。
あ、とくに開示すべきCOIはありませんのであしからず。
もちろん、古い薬はデータがそろっていて実績があるからこそ今も残っているのです。
新薬に飛びつかない医師でいたいですが、全く知らずに否定せずに、というスタンスも大事ですね。
ではまた。
結論:正直、接待されていたお医者さんたちはうらやましい
【再掲】DPP4阻害薬でRS3PEが増えるかも(再掲)
専門医をとらずにふらふら内科をしている私が、医学ガチ勢を目指すブログです。