前回の記事でリン酸コデインの話題をしました。
疑義照会にかかりづらい禁忌薬
実はリン酸コデインは喘息発作中は禁忌です。 添付文書に記載あり、「気道分泌を妨げる」からとのことです。
今回はコデインがらみでもう一つ。
ブロン中毒について
市販薬とコデイン
コデインの含まれる市販薬で有名なものはブロン®だと思います。
基本的には咳止め薬に含まれます。
以下、有名なコデインを含むOTCです。
コデインを含むOTC
新ブロン®液エース
1本120ml
1回量10ml中
ジヒドロコデインリン酸 5mg
グアイフェネシン 28.3mg
クロルフェニラミンマレイン酸2mg
無水カフェイン 10.3mg
エスエスブロン®錠 1箱84錠
1回4錠中
ジヒドロコデインリン酸 5mg
dl-メチルエフェドリン酸塩 16.7mg
クロルフェニラミンマレイン酸2.67mg
無水カフェイン 30mg
パブロンゴールドA 1箱44包
1回1包中
グアイフェネシン 60mg
ジヒドロコデインリン酸 8mg
dl-メチルエフェドリン酸塩 20mg
アセトアミノフェン 300mg
クロルフェニラミンマレイン酸2.5mg
無水カフェイン 25mg
ビタミンB2 4mg
ブロン中毒・依存症について
いわゆる「ブロン遊び」「金パブ」
上記薬剤に含まれるコデイン、エフェドリン、カフェインによる多幸感、中枢刺激症状が目当てで使用される。
依存症を生み、多量服用によるオーバードーズや中毒症状が問題になる。
長期乱用による症状
(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry.1991;15:513-21.)
幻覚妄想型:乱用開始から1年以内で出現。
幻聴、被害・注察妄想
感情障害型:乱用開始から 2-3 年で出現。
不安、焦燥感、抑うつ症状、感情鈍麻
離脱症状は発汗、振戦、頭痛、口渇、消化器症状など自律神経症状と精神症状
発熱、意識変容で脳炎かなと思いきやブロン依存症の離脱症状だった、なんてことを経験しました。
カフェイン中毒の症状として不整脈や、痙攣をおこしてくることもあります。
あと、決してブロン遊びを勧める意図ではありませんが、体験談、依存症の方はこういった症状がある、こういう現象がおきている、という点から以下のブログは参考になります。
※当サイトは、すべての記事においてオーバードーズを推奨しません。と記載あります!!!!!
田舎や離島だと全然現れませんが、都市圏で救急やってると一定数診ると思います。
市販の薬でも激烈な症状を伴うオーバードーズがある、というのは知っておいてよいと思います。
ではまた。
結論:ブロンとブロム中毒は間違えやすすぎる。