スミヨシです。
※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。
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31歳男性
内科医
当直明け、自宅で睡眠をとる際にめまいを自覚。
数秒で改善したために疲労による症状と解釈。
寝付けず、本日の株価を見るために横向きでiPhoneを操作した際にもめまいが生じた。
起きた後は特に問題なく経過。
夜寝ようとした際に、めまいを自覚。
めまい時には、視界が右周りに回転しているようであった。
嘔気や難聴はなし。
めまい発作は長くても30-40秒程度
めまいは翌日にもあった。
対応は?
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そういうわけで、私自身の症例です。
ほんと最近発症しました。
なんとか眼振を自分で撮ろうと思ったのですが気持ち悪くて無理でした。
鑑別は悩まないと思います。
体位変換で起こる、1分以内の回転性めまい。
そう。
BPPVですね!!
で、自分自身がBPPVだというのはいいのですが、僕の症状、どうも臥位で出るんですよね。
立位とか水平方向で出て、仕事に支障がでると、皆の同情もいただけるのですが、臥位の場合は仕事に支障が出ない。。
なので誰にも心配されない、というジレンマが生じてしまいます。。
で、ふと思ったのですが、BPPVと診断したのですが、臥位で生じてもいいんでしたっけ?
臥位でのめまいはBPPV
(Otol Neurotol. 2011;32:284-90. )
めまい診断のあれこれ載っている論文から。
Positive predictorsの一番上のもの。
「臥位でもっともめまいが強くなる」はOR 15.5、と強くBPPVを示唆する所見です。
臥位の失神は心原性を疑う嫌な病歴ですが、臥位になるとめまいが強くなるのはある意味医療者側は安心する所見かもしれません。
BPPVとビタミンD
QQでは正直BPPVはエプリー法してやっておいてくださいみたいになっちゃうのですが、いざ自分でやってもあんまり良くなりませんでした。
右と左で試してちょっと改善してきたかなあ、と思っても寝てみると誘発されますね。。
とはいえ時間薬もしくは暇なときにエプリー法リベンジ、くらいしかなさそうでしょうか。
症状はだいぶ落ち着きましたが再発率も高いので困りましたね。。
なんか治療法あるかな、とUpToDate®を読んでいると、BPPVの再発予防にビタミンDがよさそうな雰囲気で書いていましたので調べてみました。
Effect of vitamin D supplementation on benign paroxysmal positional vertigo recurrence: A meta-analysis
(Sci Prog.2021;104:368504211024569.)
BPPVに対するビタミンD補充のmeta-analysis
ビタミンD投与群は受けなかった対照群よりもBPPV再発率が低い
(RR = 0.41, 95% CI = 0.26-0.65, p < 0.01)
血中ビタミンD濃度30ng/mlを目指して投与するそうです。
どうもビタミンDがカルシウム代謝を介する不思議な力で耳石に影響するようですね。
適切なビタミンD投与量やカルシウムを併用すべきかは不明です。
また、保険病名が無いので、サプリでの補充を勧めますかね。
というわけで、私もせっせとビタミンDを補充しています!!
BPPVの人に出会ったら、他に適切な処方があるわけでもないので、教えてあげてもよいかもしれませんね。
ではまた。
結論:スミヨシは公開日の6/26が誕生日なので32歳男性になっちゃいました。