病棟の看護師さんとか、研修医に信用されたかも、って瞬間ありますよね?
ないですか?
僕はあります。勘違いじゃないです。本当です。
京都に来て間もない時に、Covid-19で入院の高齢患者が食思不振になった際に、口腔カンジダだったことがあります。
治療がうまくいって、食事全量食べていただき、無事退院できたときには、結構信頼を勝ち取った感があります。
そんな私の思い出、口腔カンジダ。
診ている疾患群で偏りがあるかもしれませんが、まま診る事があると思います。
福知山の時に治療法が議論になったこともありました。
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8月 朝カンファにて
ステロイドuserに口腔カンジダが出現。
治療をフルコナゾール 1回100mg 内服でおこなった。
⇀フロリードゲル®を使用でもよかったのでは?と
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というわけで、口腔カンジダに対するフロリードゲル®について調べてみました。
口腔カンジダに対するフロリードゲル®について
はじめに
・ほとんどがCandida albicans.
⇀治療はアゾール系抗真菌薬を使用する。
(AIDS Res Treat. 2012; 2012: 262471.)
※私見:初回の口腔カンジダに対してのアムホテリシンやミカファンギンの使用は、溶連菌咽頭炎にキノロンを、尿路感染の内服切り替えにファロムを出しているようなもやもや感を、個人的には感じます。
・フロリードゲル®:一般名ミコナゾール
・食道カンジダ合併は全身投与が望ましいかも。
口腔カンジダの咽頭痛は食道カンジダを考慮
治療あれこれ
サンフォード2020(第一選択のみ抜粋)
非AIDS患者
・ナイスタチン懸濁液orトローチ 1日4回
・フルコナゾール 100-200mg 1日1回 内服or点滴
・クロトリマゾール トローチ 10mg 1日5回(日本ではHIV患者のみ適応)
AIDS患者
・フルコナゾール 100-200mg 1日1回 7-14日
レジデントのための感染症マニュアル
軽症
・ミコナゾール(フロリードゲル®)1回2.5-4g 1日4回
・ミコナゾール口腔付着型製剤(オラビ錠) 1回50mg 1日1回
・クロトリマゾール トローチ 10mg 1日5回(日本ではHIV患者のみ適応)
中等症から重症
・フルコナゾール 100-200mg 1日1回 7-14日
・イトラコナゾール内用液 200mg 7-14日
・ボリコナゾール 200mg 1日2回
・アムホテリシンBシロップ 1回100mg 1日4回
重症
・ミカファンギン、カスポファンギン、アムホテリシンBのいずれか全身投与
IDSA 治療ガイドライン 2016
(Clin Infect Dis.2016 ;62(4):e1-50.)
軽症
・ミコナゾール口腔付着型製剤(オラビ錠) 1回50mg 1日1回
・ナイスタチン懸濁液orトローチ 1日4回
・クロトリマゾール トローチ 10mg 1日5回(日本ではHIV患者のみ適応)
中等症から重症
・フルコナゾール 100-200mg 1日1回 7-14日
フルコナゾール難治性
・イトラコナゾール内用液 200mg 7-14日
・ボリコナゾール 200mg 1日2回
・アムホテリシンBシロップ 1回100mg 1日4回
・ポサコナゾール懸濁液 400mg 1日2回 3日間⇀400mg 1日1回 最大28日
難治性の代替薬
・ミカファンギン、カスポファンギン、アムホテリシンBのいずれか全身投与
あまり諸外国(少なくとも米国)ではフロリードゲル®はメジャーじゃない?
口腔カンジダに対するミコナゾール使用について
Efficacy and safety of miconazole for oral candidiasis: a systematic review and meta-analysis
(Oral Dis. 2016;22:185-95. )
フロリードゲル®治療量は、1日10-20g⇀約980-1960円
フルコナゾール 100mg⇀約 226円
ファンギゾンシロップ 1ml 4回⇀約218円
まとめ(私見)
軽症であればおそらくフロリードゲル®でも十分治療可能。
医者、看護師が慣れているならそれでもよさそう。
ただし、薬物相互作用が減るかはわからないが、フルコナゾールと比べて禁忌が特段少ないわけでもない。
というわけでこんだけ述べておいて、まあ、使い慣れている薬剤ならどれでもいいかも、なんて思いました。
意外と費用はかかるのでそこは注意ですかね。
ではまた。
結論:大阪にカステラ銀装 フロリードハウスという店がある
生活保護受給患者全員に○○を紹介しろ
バックグラウンドはさておき、多くの生活保護患者が病院に受診されます。 生活保護患者は糖尿病罹患率が高いことが分かっています。