2022/09/14

投稿日 2022/09/14

バンコマイシンによる好中球減少

スミヨシです。

Slackのデータ保存期間が90日間に短縮になってしまいました。
チーム内での論文共有をほとんどSlackで行っていたので、最近は泣きながら読み返して保存しまくっています。

で、昔、バンコマイシンの血球減少を学んだantimicrobeの資料が出てきたのでまとめます。




バンコマイシン誘発性好中球減少

疫学

バンコマイシンによる好中球減少症は2-8%
(Pharmacotherapy. 2002;22:783-8.)
(Ann Pharmacother. 2007;41:891-4. )

イベントの多くは投与20日以降に起きている。
1日投与量、累積投与量、VCM濃度高値などには関連していないが、7日以上の投与に関連している可能性がある。
(Ann Pharmacother. 2011;45:629-38. )

病態

antimicrobeの記載によると、抗体を介した好中球の破壊であり、免疫学的なものである、とのこと。

治療

基本はバンコマイシンの中止が必要。
上記のように抗体を介した免疫学的機序でおこるので、再投与すると再発する。
ケースレポートではG-CSFが有効化もしれない。
(Ann Pharmacother. 2004;38: 1855-9.)

テイコプラニンとの交叉反応があるかもしれない
(Ann Pharmacother. 2007;41:891-4.)



というわけで機序はともかく、バンコマイシンによる血球減少が起きたらあきらめて別薬剤使用、再使用は結構厳しいんじゃね?みたいに思っておけばよいかもしれません。
バンコマイシン投与時にはとにかく副作用起きないように毎日お祈りをしましょう。

ではまた。





結論:晩餐館の焼き肉のタレのこいつの名前は、バンコ