2022/09/12

投稿日 2022/09/12

気胸に対しての酸素投与は改善を早くする?(再掲)

※この記事は2021年2月22日に公開したものです。

Covid-19の気胸の方がちらほらいたので復習を兼ねて。


スミヨシです。

カンファで、気胸の人は酸素化が問題なくても酸素投与を行った方が治療がはやくなる、というのを聞いたので調べてみました。

UpToDate®での気胸に対する酸素投与

ひとまず医学はUpToDate®をみとけばだいたい大丈夫という説があるのでしらべてみました。
原発性気胸のページには以下のようになっていました。

Since patients with PSP have no underlying lung disease, oxygenation is generally within normal limits or low normal; thus, oxygen is administered to promote resorption of air (mostly nitrogen) from the pleural space. However, the optimal target fraction of inspired oxygen (FiO₂) or peripheral oxygen saturation (SpO₂) is unclear. 

SpO₂の目標値はよくわからないけど、胸腔の窒素の吸収が促進されるから酸素投与を行う、という内容です。
(Br Med J 1971;4:86)

まあ後述するガイドラインなどの、気胸に酸素投与したらいい、という内容の元文献は、すべてこの文献にたどりつきます。
1971年のものなので、再度検討してもよさそうかなあ、という印象はあります。

アルゴリズムのところには、重症ではない、2cm以内の小さな気胸では、酸素6L投与を、SpO₂>96%を目標に6時間行うとあります。
それで悪化なければ酸素offにしてもよさそうです。

続発性気胸のページでは、COPDの患者のことがおおく、慎重に酸素投与をするような記載でした。

2020年のNEJMの、自然気胸に対する保存的療法vsドレナージで、大きな差はないかもよ、という論文がありますが、ここでは、保存的加療の方は、SpO₂<92%で酸素投与開始されていましたが、そうでなければ酸素投与はされていなさそうでした。

(N Engl J Med 2020; 382:405-415)

BTSガイドラインでは続発性気胸の保存的加療は高流量の酸素を流し、24時間経過観察と書いていました。
(Thorax2010 Aug;65 Suppl 2:ii18-31.)

ドレナージ中の酸素投与

ドレナージ中にSpO₂保たれている人に酸素投与が必要であるかはUpToDateでは不明でした。
元文献の各国ガイドラインでも、あまりドレナージ中の酸素投与のことは記載が見つけられませんでした。あったらすいません。。
日本のは有料なのでわかりませんでした。。



実は個人的には気胸の方にたいして高流量の酸素投与ってそんなにしてなかったです。。
気胸を管理する場面もあまりなかったですので、勉強になりました。
実臨床では結構されているんでしょうかね。

若い男性の気胸なら、低酸素なくても6L酸素投与、とかでみててみいいかもしれませんし、血液ガス問題なければですが続発性の気胸の方やドレーン入れた方でも、投与は考慮かもなあと思いました。もちろんNHFやCPAPは気胸悪化のおそれあるので使用しない方がいいと思います。
まあ、それでも酸素化もんだいなければ一晩などでoffでもいいのかなあ?

pubmedでも調べましたが、酸素投与をした方が気胸の改善が早かった、という質のいいデータはみつけることができませんでした。。
タイトル回収できず。。
窒素吸収の話があるのでおそらく少しは早くなるとは思いますが。。


コロナで肺が荒廃→気胸、というのに最近であったので、注意してみておきたいです。
コロナの患者の呼吸増悪は肺塞栓も、二次性肺炎も気胸もあっていやになりますが。。

ではまた。



結論:「桔梗 犬夜叉」で調べると予測変換に、「嫌い」がついてくるのでちょっとかなしい。