※読み返しても私見たっぷりのグチだらけで、医学の役に立つ内容ではなくなってしまいました。悪しからず。
総合内科カンファ、GIMカンファという名前のカンファが全国いろいろなところで開かれています。
最近はオンライン開催されて、いろいろな場所で開催されているものに参加できるので楽しい限りです。
総合内科医に求められるものはどこで働くかによって異なります。
その病院に足りない部分の対応、社会的に難しい患者の対応、複雑なプロブレム患者への対応、外科入院患者の内科的プロブレムのフォローなどなど。。
いろいろ重要な役割があると思いますが、「診断が難しい症例への対応」はやはり求められている事が多いでしょう。
実際にこれが総合内科のある種、花形的役割なのだと思います。
だから、カンファの花形も必然的に「症例当てクイズ」のコーナーがメインになります。
当たり前といえば当たり前です。
これが一番面白いですし。
若手の総合内科医を増やすにはどうしたらいいかと言われたら、こういったクイズで釣る、というのは一つの戦略でしょう。
研修医向けの総合内科カンファ
全国の多くのGIMカンファの対象って、多分研修医では無くって内科ガチ勢に向けて作られている事が多いです。
難易度設定も高く、うなる症例も多く、「カンファ慣れ」していても難しい内容のものが多いと思います。
ただ、一部研修医・学生向けのものもあったりします。
昔あった「ドクターG」みたいな内容のものです。
この前、研修医・学生向けの某カンファを視聴したのですが、なかなか気に食わない内容でした。
40歳女性の関節痛+浮腫
この時点で鑑別は?とプレゼンター
参加している研修医は半数が「RS3PE症候群」と答えていました。
「伝染性紅斑」「蜂窩織炎」と答えている人には何故そう思ったか聞いていましたがRS3PEと回答した人には「いいですね」とコメントしてスルー
そのあと次々情報が出ますが、プレゼンターは「伝染性紅斑」と「蜂窩織炎」の研修医にばかり話を振り、どこが違うかなどを聞きます。
さらっと蜂窩織炎ぽくはない、ということになってしまいました。
で、研修医から「浮腫の性質は?」とコメントされpittng edemaであると回答。
そこでプレゼンターが「RS3PEならどう?」と誘導。
なんかごにょごにょなって話が終了
鑑別が伝染性紅斑しかあがってないけど他には?と質問で、甲状腺機能低下とかリウマチとかあがりましたが、急性なので違う、で話が終了。
まあ、結果はパルボウイルスB19感染
Take Home Message「四肢むくみ・関節痛の鑑別にヒトパルボウイルスB19感染症を含める」
めでたしめでたし
僕はこのプレゼンが終わったときにやるせない気持ちがこみあげてきました。
やるせないポイント
まあ、時間制限があったことで本来のプレゼンをする余裕が無かったのかもしれません。でもやるせない。
まず最初、「RS3PE症候群」が挙がったときに、もうやるせないですね。
なんでしょう。研修医がこういう疾患を知っている必要があるんでしょうかね?
むしろ研修医はcommonなものを挙げられた方がいいとおもうんですよね。
勿論、どこのカンファにいっても、実臨床でその疾患から考えないだろ、カンファだから言ってるだけだろ、って意見はまま出ます。
研修医がこういう病名を知っているのはすごいと思いますが、結局実臨床、初期研修ではなかなか役に立たないでしょう。
むしろ危険なものを除外していかなければいけないことをメッセージにしなければなりません。
当てつけかもしれませんが、こういうドクターGとか疾患当てクイズのせいで研修医がよくわからない病名を知ってしまって情報過多になっていませんかね?
で、この意見を出した研修医に対してプレゼンターが無視するという最悪な展開でした。
いったい何故この疾患は違うのか、どこが合っていてどこが合わないのか、そういうところでさらっと否定したらいいのに、肯定も否定もしないまま、無かったことにするのは良くないですね。
もしかしてプレゼンター、RS3PE知らないんじゃなかろうかとかあらぬ疑いがでるわけですね。
あと、急性の多関節炎で、なぜIEを考えないのか、否定するアプローチが大切だということをプレゼンにいれないのか、もうこれもやるせない。
スライドには「急性多関節炎の鑑別」の中に書かれていましたがなぜ本症例では違うのか、もっと強調していいと思いました。
てか関節炎からのアプローチの方向にもっていくなら浮腫の情報必要か?みたいなことも思っちゃうのです。
まとめると、このプレゼンターの先生、実際にこの症例見てないんじゃないかと思っちゃうわけです。
実際にプレゼンターがその患者を診ている必要は無いといえば無いんですけどね。
そしてプレゼン用に情報を圧縮しているんだと思いますし、当てつけだとは思います。
ただ、臨場感が無いというか結果論で疾患が当たったからよかった、ではなくて今後同じような患者が来た時に正しくアプローチできる必要があるんですよね。
似たような患者が来てもあの研修医たちはパルボウイルス以外鑑別に挙げられない気がするんです。
結局薄い内容のカンファになっちゃっている、なんて思いました。
実際は研修医向けにカンファ作るのが難易度設定だとか、メッセージとか、難しいと思うんです。
カンファに出席するような内科医は血液培養をとることはルーチンでやるでしょうけど、初期研修医にはそのメッセージが大切なんですよね。
逆にいうと、真に初期研修医向けの総合内科カンファってのは少ない・難しいので、個人的には初期研修医は総合内科カンファとか出ない方がいいかもと思いました。
出てもいいですけど、本当に初期研修医にためになるカンファは少ない、と知っておいた方がいいかもしれません。
割り切ってクイズに参加するにはよいと思いますけどね。
ではまた。
結論:初手に伝染性紅斑をあげた研修医は優秀すぎるのでこいつもカンファ出入り禁止にすべき
DPP4阻害薬でRS3PEが増えるかも(再掲)
専門医をとらずにふらふら内科をしている私が、医学ガチ勢を目指すブログです。