2022/09/26

投稿日 2022/09/26

【症例】25歳男性 喘息治療後のうつ症状

スミヨシです。

最近、徳洲会主催の勉強会に出ています。
内容的にはMKSAPを解いていくというものです。
まあ自分で解いた方が早いのですが、実際持っていてもあまり解かないんですよね。。
そういう意味でモチベーションになっています。

この前が呼吸器のブロックで、ちょうど喘息の問題を集めた回だったのですが、そこで出た問題が面白かったです。


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25歳男性

2か月前に喘息と診断
投薬・コントロール吸入開始後は症状が落ち着いている
何日間か気分の落ち込みがあり睡眠障害がある
PHQ-2によるうつ病スクリーニングは陽性

処方はベクロメタゾン吸入、サルブタモール吸入、モンテルカスト
vital、肺の検査は正常

対応は?
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最初問題を聞いたときは、

「吸入ステロイドでもステロイド精神病を起こすとかいう問題かな」

なんて考えましたが、ステロイド精神病はどっちかというとUpperなことが多いし、どうなんだろう、みたいな感じでした。


正解は「モンテルカストを中止」でした。
恥ずかしながらモンテルカストの副作用全然知りませんでした。


モンテルカストによる精神症状


モンテルカストはうつ病、自殺念慮、攻撃的行動を起こす可能性があるようですFDAでは2020年にうつ病を示唆する患者では中止するように呼び掛けています。

(JAMA. 2020;323:1236. )

日本の添付文書でも因果関係は不明と注意書きがありますが、うつ病、自殺念慮など記載があります。

機序を調べましたが分かっていないようです。
セロトニンやノルアドレナリン阻害か、という説があるようです。
(Pharma Res Per.2017;5:e00341)


まあ、正直一般内科医がコントロールするような喘息患者ではモンテルカストは不要かと思いますが、他で出された薬剤などで同症状があれば注意はしておきたいですね。
頻度は低いようですが、知っておくといいかもしれません。

ではまた。


結論:モンテルカストとモンテカルロとモンテ・クリストは多分語源一緒