スミヨシです。
徳洲会に所属しているときに、離島での勤務がありました。
離島で働くの楽しい!って言っている多くの人は腰を据えてやってなかったり、ちょっと研修医時代の1-2か月、離島の砦ではない病院で勤務をした人かなあ、なんて思います。
でも残念ながら離島の医療は楽しいばかりではないです。。
離島で働く医者が直面することはいろいろとあると思います。
その中でも代表的なものは肝硬変の多さですかね。
やはり南の島は酒飲みが多いのです。
本当かどうか、宮古島では肝硬変のうち75%がアルコール性とのこと(日本全体で13.6%と)。
(https://www.miyakomainichi.com/2015/06/76403/)
そういうわけで離島勤務は割とアルコール関連の対応が多いかな、と思っています。
MKSAPを解いていて久々に自分のメモを見返す機会があったので復習しました。
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56歳男性 2日間続く錯乱
アルコール性肝硬変の既往のある患者だが5年間禁酒している。
うつ病、不安神経症がありEscitalopram(レクサプロ®:SSRI)を服用している
Vitalは正常。黄疸とはばたき振戦がある。
採血と尿検査を提出した。
次のステップは?
(MKSAP19 Gastroenterology and Hepatology Questions75)
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まあ臨床的に肝性脳症っぽいなあというのはわかりやすいですね。
自分は頭部CTを選択しましたが、答えは「投薬の調整(レクサプロ中止)」でした。
肝硬変患者における肝性脳症の誘因
(Clin Liver Dis. 2019;23:607-623)
(UpToDate®:Hepatic encephalopathy in adults: Clinical manifestations and diagnosis)
肝性脳症の治療における最初のステップは、誘因の特定と是正。
薬剤
・ベンゾジアゼピン/非ベンゾジアゼピン睡眠薬
・麻薬(オピオイド)
・アルコール
アンモニアの産生・脳への吸収の増加
・タンパク質の過剰摂取
・消化管出血
・感染
・低カリウム血症などの電解質障害
・便秘
・代謝性アルカローシス
脱水
・嘔吐
・下痢
・出血
・利尿薬
・大量の腹水穿刺
門脈シャント
・外科的シャント
・Spontaneous porto-systemic shunt
血管閉塞
・肝静脈血栓症
・門脈血栓症
肝細胞癌
SSRIによる肝性脳症、というのはあまり見つけられませんでしたが、tranquilizersでも引き起こす、とのことでcommonなんだと思います。
でもまあ、頭部CTとりますけどね!
薬剤を整理するのは入院してからゆっくりすればいいと思います!
ではまた!
結論:オトーリという恐ろしい文化が宮古島には存在する(見たことない)