スミヨシです。
内科外来やっていると、まあ色んな方がいらっしゃいます。
以前、いらした方が中年の女性でしたが内服薬にスピロノラクトンがありました。
アルドステロン症でもあるのかと思って聞くと、AGAに対して処方された、とのこと
なんか、SGLT2阻害薬やフロセミドでやせようとする人と同じ感じがします。。
とはいえ調べずに批判するのはいけませんので一応調べてみました。
AGAに対するスピロノラクトン
スピロノラクトンの作用
そもそもAGAって何の略かと調べると、
「Androgenetic Alopecia」
の略なんですね。アンドロゲン性脱毛症。
スピロノラクトンはアンドロゲン受容体を遮断するので、単純に字面をみると効果があるのかもしれません。
UpToDate®にAGAのことがまとまっていました。
AGAの治療
男性か女性かで区別
男性AGA
フィナステリド内服および局所ミノキシジルが1st
⇀男性にはスピロノラクトンは使用しない!
女性AGA
局所ミノキシジル+スピロノラクトン
併用療法を行う方がよいかは不明。
日本でも米国でもスピロノラクトンは保険外診療。
日本ではミノキシジル5%(リアップ)の女性への販売が難しいかも。
筆者は、全ての患者にミノキシジルを含むようにしている、とのこと。
スピロノラクトンは50mg/dayからはじめて100-200mg/dayまで増量していく。
⇀閉経前患者は生理不順が起きやすいため低用量ピルも併用を考慮
だいぶ高容量ですね。。
13-18歳でもミノキシジル+スピロノラクトンは有効かもしれない
(J Am Acad Dermatol.2021;84:1689-91.)
ロサンゼルスのクリニックを受診した女性型脱毛症のうち、30%強が甲状腺機能低下症であった。
⇀女性のAGAを考えたときには甲状腺機能を測定すべき!!
(J Am Acad Dermatol. 2015;73: 705–6.)
まとめ
そういうわけで、思ったよりもメジャーな治療法なのかもしれません。
ただ、個人的に感じるのは、女性AGAをスピロノラクトンで治療するときには、
・甲状腺機能測定
・カリウムのフォロー(特に中年以降の女性)
をしっかりしてほしいですね。
ではまた。
結論:にきびでも低用量ピル+スピロノラクトンを使用する
【ただのグチ】原発性アルドステロン症そんなにいなくないですか!!!???
結構いる、とかいうけれど全然見ないし(見逃しているのは承知のうえ)、既往歴に原発性アルドステロン症の人も見ないし、もしかして原発性アルドステロン症は幻かもしれないと思い始めています。