2022/12/02

投稿日 2022/12/02

【short】肺炎BIG6とか明らかにふさわしくないやつ入ってるから後世に伝えるなよ【私見】

※今回の内容はすべて私見です。
私はこの記事を書いているときに、原因不明の38℃の発熱5日目でした。CRPは3を超えていました。血液培養まで採りました。
だから意識朦朧だったはずです。内容には責任を持ちません。





スミヨシです。

肺炎に関して熱い先生は一定数いますよね。
総合内科に多い印象です。
自分もそのうちの一人と思っているので、研修医に肺炎を教える機会は多いし、作っているつもりです。
なぜ皆肺炎にセフトリアキソンか、アンピシリン・スルバクタムをよく使用しているのか、肺炎BIG6から教えてそのカバーをしているのだろう、という話から持っていきます。

肺炎BIG6はご存じでしょうか。
市中肺炎の主な菌6つです。

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肺炎BIG6
・肺炎球菌
・インフルエンザ桿菌
・モラクセラ・カタラーシス
・マイコプラズマ
・クラミドフィラ
・レジオネラ
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さて。
これどう思います?

どう考えてもBIG6じゃないやつが入ってますよね!!!!


さて、どれかと言われれば当然クラミドフィラですね。
なにこいつ?
いまだに診たことないんですけど!!

もっというと、どの検査項目をだせば拾うことができるかもよくわからん!
なにこいつ!

昔のデータはわかりませんが、思ってたより市中肺炎の起因菌にならないことがわかってきています。
(Clin Infect Dis. 2016;62:817-23. )

そもそも今日日、ピュアな肺炎球菌肺炎とかもめっちゃ減った気がします。
うちの研修医目線で肺炎の起因菌とかインタビューしたら、ほぼ誤嚥性肺炎(口腔内常在菌)でしょう。グラム染色がむなしい。。
あと、菌じゃないけどCovid-19の方が細菌性肺炎より多いでしょう。

というわけで、話が少しそれましたが肺炎BIG6は後世に伝えるのはやめましょう!

・Covid-19
・口腔内常在菌
・肺炎球菌
・インフルエンザ桿菌
・モラクセラ・カタラーシス
・マイコプラズマ
・レジオネラ

これでいかがですかね。

とにかく、クラミドフィラはもうBIG6から外すべき!!
ではまた。



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以下グチ。


最近、研修医に肺炎の起因菌を説明していても、もう何か、すべってる感じするんですよね。。
教科書と現場は違うんですよって言われているようなそんな気分です。
知識としての価値はあっても、実臨床に活かしにくくなっている。
福知山とか、めちゃくちゃグラム染色してくれてましたが、それが臨床のマネージメントを変えない(≒ほとんどpolymicrobialとかGPC多くても臨床的に誤嚥性肺炎ばかり)ことも多かったです。
研修医は上級医に言われるからグラム染色してるけど、その前からすでにセフトリは投与ずみ、みたいなこともよく見ました。

セフトリではなく、アンピシリンやペニシリンGで開始するメリットも分かりづらく、内科外来でも結構細菌性肺炎が減っており、このあたり熱く語ろうにも結局誰もやってない、施設でやってるのは総合内科の先生だけで、救急でも皆セフトリかユナシンじゃん、で終わりがちになっている気がします。
意外とそれが均一的でスムーズな診療になっているかも、と感じるのも事実です。

話がそれましたが、
・肺炎を熱く語る上級医の熱はコロナ禍の救急外来が主戦場の研修医に届きにくい

と感じています。
僕ですら、肺炎に熱い先生の話を聞くと、なんかこの先生コロナ禍に入ってから臨床してないのか、なんて思うこともしばしばです。
肺炎に熱い先生と、研修医や若手とにギャップが生まれていて、あたかも古い診療している先生の話を黙って聞くみたいな構図になっている感があり少し辛いところです。。
対策が必要な気もしますがどうしたらいいかわかりませんね。
今のところ自分は知識としては残しつつ、市中肺炎の勉強より誤嚥性肺炎の勉強がコスパがいい、という方針にしています。