Bacillus spp.が血液培養陽性、となると多くの症例はコンタミかなあ、なんて思います。
ただ、当然バシラスにも真の菌血症のパターンがあります。
カテ感染が多いと思います。
特にBacillus cereusは脳膿瘍や髄膜炎など中枢神経感染症を起こすこともあります。
Bacillus cereusによる中枢神経感染症
大きくは3つ
①脳外科手術後の髄膜炎、脳室炎、脳膿瘍やデバイス感染
②好中球減少患者の髄膜脳炎、SAHなどの出血イベント
③早産新生児の髄膜脳炎
術後のものは死亡率は低いが、②と③は死亡率70%前後
(Can J Infect Dis Med Microbiol.2012;23(1):e16-9.)
②のほとんどは血液悪性腫瘍患者に起こる。
(BMC Infect Dis. 2020; 20: 15.)
治療
バンコマイシン、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、クリンダマイシン、は用いられる。
ケースレポートみてると2-3剤併用療法していることが多そうです。
毒素産生意識のクリンダマイシン、みたいなのはあまり見つかりませんでした。
亀田総合病院感染症科のバシラスの記事も大変勉強になります
毒素産生もして、重篤化しがちなので、あやしければBacillus spp.で結果をとめずに菌種まで同定を頼むのがよいかもしれませんね。
ではまた。
結論:Bacillusをバチルスと呼ぶ人は妙なこだわりがありそうだから近寄らない方がよい。