2022/04/13

投稿日 2022/04/13

診療所でも重症筋無力症を診断する方法

スミヨシです。


週1回診療所で勤務しております。

北京都の中でもさらに人のいない、真の過疎地域でやっております。

当然、資源なんかは限られてますし、近くに薬局もないので、院内処方のみでやりくりしております。糖尿病の治療とかマジでムリゲーです。

インスリン縛りどころかSGLT2とかそんなのすらないです。

睡眠薬もベンゾしかありません。。


そんな診療所でこんな症例が来たらどう対応しますか?



※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。

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50歳女性

何か月かまえから倦怠感と両上肢の筋力低下

洗濯を干すことはできるが、夕方取り込むのが難しい。

自覚症状はないが、瞼が写真のようになっている。


眼瞼下垂

(NEJM.2017;377:e1)
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診断自体はあまり困らないかもしれません。
いろんな亜型やらあるかもしれませんが、とりあえず、重症筋無力症っぽい

で、まあ、さっさと神経内科のいる病院に送るのですが、折角ならさらに診断に近づいておきたい。。

でも当然診療所には筋電図もテンシロン®もありません。
採血はまあ、CBCすら外注ですので、わざわざここで採らなくても行った先の病院でやってもらえばよいか。。

診療所にあるもので特異的な所見をとるとなるとどうしますか??




氷さえあれば、アイスパックテストができるかもしれません。




アイスパックテスト

(Ophthalmology.2009;116:2236–43)
(Int J Clin Pract.2004;58(9):887-8. )
(Lancet. 2020;396(10261):e82. )

重症筋無力症に対するアイスパックテスト


重症筋無力症は眼瞼下垂を合併する。
バッグなどの氷をいれ、2分間冷却する。
筋肉を冷やすことで神経筋接合部の伝達が改善することで眼瞼下垂が改善する。

感度76.9% 特異度 98.3%


まあ、検査というよりも身体所見の一環としてできればいいですね。
ではまた。

結論:北海道では外に出るだけで眼瞼下垂治る