スミヨシです。
みなさん、製薬会社からの接待はうけていますでしょうか!
学生のころはお弁当とかもらえていたのに、ちょうど私が研修医になったころから厳しくなって、一つも接待を受けられていません。。
Twitterで製薬会社のボールペンのことが話題になっていました。
昔と違い、ボールペンすら、商品名禁止、会社名のみで、黒のみ、みたいな感じです。
禁止になった理由でよく聞くのが、ボールペンすら、処方に影響する、というものです。
ここらへん耳学問なので調べてみました。
製薬会社のギフトの影響を医師がどう考えているか。
まず、ボールペン単独で売り上げが上がったというのは見つけられませんでした。
89%の医師は製薬会社のギフトによる影響はなく、製薬会社からの情報を解釈するトレーニングを受けられている、と考えている
(J Contin Educ Health Prof. 1996;16:25-32.)
自分は大丈夫だが、他の医師は製薬会社の影響を受けやすいと思っている医師が大半である。
(J Med Ethics.2006;32:559-63. )
研修医だけでの質問でも同様。
(Am J Med. 2001;110:551-7.)
実際の影響
フランスのプライマリケアでの研究
2013-16年に何らかのギフトを受け取った医師は87.8%
1000ユーロ以上もらっている医師は男性医師の割合(76.5%)と慢性疾患患者の割合(30.4%)が多い。
一回当たりの処方に対する償還額はギフトなし群が1000ユーロもらっている群に比し-5.33ユーロ
ギフト無し群は抗菌薬処方時、降圧薬処方時、スタチン処方時のジェネリック使用率が高い。10ユーロだけもらった群でもギフト無し群にくらべジェネリック使用率は低い。
抗菌薬:87.3%vs86.6%
降圧薬:84.7%vs84.1%
スタチン:77.6%vs74.8
※1000ユーロ以上の群はもっと低い。
(BMJ. 2019;367:l6015.)
製薬会社の関与と医師の処方行動は統計的に有意(OR=2.52; 95%CI 1.82-3.50)
(PLoS One.2017;12:e0175493. )
製薬会社の担当者に毎週会う開業医はそうでない開業医にくらべ、不必要な処方につながる行動をとる可能性がある
(BMJ.2003;326(7400):1178-9.)
まとめ
ボールペンはともかく、少額のギフトでも不適切な処方につながる可能性がありそうですね。
また、多くの医師は他の人は影響うけるかもだけど、自分は大丈夫、なんて思っていることがわかりました。
患者アウトカムがそれで不利益をうけなければいいですが、まあ、製薬会社とは贈り物なんか必要のない、クリーンな関係でいたいものです。
結論:うまいすき焼きを食わせてくれたら平気でセフゾン®処方します!!!連絡待ってます!!
医者ならいいペン使おう
専門医をとらずにふらふら内科をしている私が、医学ガチ勢を目指すブログです。