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2023/01/30

嫌気性菌に対するメトロニダゾールは1日2回投与でよいかも

スミヨシです。





メトロニダゾール。

いわゆる嫌気性菌に対する特効薬的存在ですが、神経症状が出やすいです。


とくに、「メトロニダゾール脳症」なんか思いつかないと全然診断に結びつかないと思います。


メトロニダゾール脳症自体は、もしかすると用量依存かもしれません。

(Int J Infect Dis. 2008;12:e111-4)


それならばメトロニダゾールの投与量を減らすことができれば脳症も減らせるかもしれません。


メトロニダゾール 1回500mg 1日2回 vs 1日3回

Three is a crowd: Clinical outcomes of a twice daily versus a thricedaily metronidazole dosing strategy from a multicenter study

(Anaerobe.2021;71:102378. )


85例の嫌気性菌菌血症に対する retrospective chart review.

32例が1日3回 53例が1日2回

併用薬はCTRX、CAZ、CFPM、CPFXが多かった。

3回群で2例、2回群で8例、単剤使用だった。


3回vs2回

30日死亡率:15.6% vs 9.4%(p=0.492)

入院日数(中央値):9日 vs 8日(p=0.271)

いずれも有意差はなかった。


制限

・3回か2回かはその時の処方した人間の好みによるので、もしかすると3回群が重症だったかもしれない。

・一部のBacteroidesはCTRXやCPFXに感受性があったかもしれない


まとめ

まあ、正直自分の施設が嫌気性菌に対しては1日2回で使用することが多いので、大丈夫だろう、という肌感覚があります。

この論文だけで導入するのは難しいかもしれませんが、副作用リスクを減らせる、というのとアネメトロ®のコストを抑える事ができる、という点からは試してみてもよいかもしれません。


ではまた。


結論:ELTのfragileは"フラジャイル"だと思うけど、フラジール®を検索すると必ず出てくる。

2023/01/27

研修医向けレクチャーはQ&A形式が一番手応えがある

スミヨシです。

今の時代、スライドだったり教科書だったりブログだったりTwitterだったり、医療関係の情報を手に入れるには、色んな方法があるかと思います。

今のチームでは月1-2回、研修医向けに感染症レクチャーをしています。
実際、色んな方法があるといっても、能動的にそれら情報を集める研修医はほとんどいなくって、受動的な機会はやはり重要だと思っています。

それでも、自分たちのレクチャーを上回るものが簡単にアクセスできるところにあるのも確かです。
なんとか自分たちがレクチャーをやる意義を生み出せないものか。


そこで、編み出したのが
「研修医全員から質問を募集してそれにすべて答える」
コーナーです。
とにかく感染症にまつわる疑問やクリニカルクエスチョンを挙げていただき、それにある程度の期間をいただいてすべて答えていく、というものです。

ニーズを特化することで、どの教科書にも、有名医師にも勝るものができるというもんです。
もちろんこれはこれでクオリティを求められますが。

あと、自分の疑問を文章化することがそもそもトレーニングになりますので、たとえ感染症に興味がなくとも必ず1つは質問してもらうようにしました。

長々してもいけないので、解説は1枚で制約をつけてもらいました。

自分が担当したところを少しだけ載せてみます。







本当は入院のところも、内服フラジール®vs点滴アネメトロ®とか
入れたかったのですが省略しました。





個人的に面白かった質問としては、
歯医者でだされたセフカペンでお腹を壊したのですが我慢して飲むべきでしたか
というものがありました。

この質問には
・あくまでここでは患者の立場なので、本来は処方医と相談すべき。
もし患者が獣医師さんで、自分の出した処方を自己判断で中止していたら医師患者関係こわれない?
・歯医者の予防抗菌薬にはSSI予防目的と、IE予防目的があり、分けて考える必要があるかもしれない
・そもそもセフカペンでよかったの?
なんて意味が含まれていて、すごくいいですね。

札幌の師匠が、学生や研修医の質問は宝だ、とよくおっしゃられていました。
こういったところから自分も勉強になることが多いです。

使い古された言葉ですが、Teaching is learning ですね。
ではまた。

結論:ぶっちゃけ、質問の回答を作る際に、AntaaやTwitterを覗いたのは内緒。

2023/01/23

GNRだけどバンコマイシンを使用する菌といえば?

スミヨシです。





すみません。最近ブログすっぽかしてますね。
あけましておめでとうございます。

めっきり面倒になってきているのですが、どんな話題でもいいので続けること長寿ブログの必須条件だと知ってますのでさらっと復帰しておきます。

2023年もメインの仕事は感染症になるので、内容も感染症のことが多くなるかもしれません。

そういうわけで今年一発目は知っているといつか役立つかもしれないシリーズで。


さて、バンコマイシン、皆さん使っていますでしょうか。
いわずとしれたGPCキラーですがGNRのカバーはまずありませんね。

しかしながら、GNRなのにバンコマイシンが効く菌があります。
私は先日初めて知りました。


Elizabethkingia meningoseptica

というわけで、こいつですね。
Elizabethkingia meningoseptica

他にもVCM効くやつがあるかもしれませんが普通使わないので(たぶん)。

ブドウ糖非発酵菌なので、院内感染で出会うことがあるかもしれません。

読み方はわかんないっすね。エリザベスキングのあたりは人名っぽいのですがエリザベスって女王だよなあ、とかそんな感じ。

治療は定まったものは無いみたいですね。
VCMを使用することが多いみたいですが、リファンピシン併用が必要かもしれない。
あとはST、MINO、LVFXあたりで使えそうなものがあれば使用する感じですかね。ディスクをどれにするかはわかりませんが。。
(J Hosp Infect. 2014;86:244-9. )

そういうわけで知ってたら役に立つ日が来るかもしれません。
ただ、こういうクイズは感染症に興味の無い人にはびっくりするくらい刺さらないので、いつかくる検出の日を待ちましょう。
ではまた。

結論:エリザベス・キングというミュージシャンがいるがこの人もびっくりするくらい誰にも刺さらない音楽を作っている