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2022/03/30

J-oslerせずに元の病院に戻るけど、俺はこの先何になるのだろうか。

スミヨシです。

2022年3月30日です。

今日の記事はただの日記です。
とりとめのない私の気持ちを連ねるだけなのです。




福知山で総合内科をした感想

北京都の福知山市というところで総合内科をしていましたが、4月からはまた京都で感染症を勉強します。
私の事をよく知らない人に説明すると、私は医師3年目からいろいろこじらせて専門医制度に乗らずに総合内科を2年間行い、その後京都で感染症科をしています。
ただ、札幌の師匠に勧められて、今年度は福知山市で総合内科で勤務させていただきました。

久しぶりに総合内科しましたが楽しかったですね。

地方都市の内科医っているだけでまあ重宝されるのです。
しかしながら、福知山のボスは地方都市でありながら、内科ガチ勢、しかも自分の師匠たちにはいなかった、最初から今までずっと総合内科で来ている先生でしたので、相当刺激になりました。

一応、後期研修医として行きましたが、色んな事情で自分はボスに続く2番手としての働きが求められた、と思います。
てか学年的にそうせざるを得ませんでした。
中間層、というか自分より上の学年がいないので、自分に何かを言ってくれるのがチームでボスだけという状況が、自分には少し物足りなかったです。

自分は今まで、研修医教育はしてきたし、それは得意な方だと思っています。
ただ、3-5年目くらいの内科医に内科を教えるのはなかなかに難しいな、と感じました。


あと、他科からは総合内科としての需要より感染症の需要が多かったです。
総合内科って、まあ、他科に嫌われがちですよね。
他科とwin-winになるには、感染症か、糖尿病か、整形や脳外科や外科の内科管理に関わるかとかが生き残る術なのか、なんて思ってましたが、それを実感することになりました。
ただ、自分の発言が覆されないので、修正できるのは自分だけ、という状況は怖かったですね。
専門医として、コンサルタントとして働いている先生は大変ですね。

医局からも、専門医制度からも抜け落ちた自分ですが、感染症の知識はもっと磨かなければいけないなと思いました。
そして、総合内科医がとどかない、感染症の専門領域に、一度達しておかないと今後自分が医師として食事はできないのかもしれないかも、なんて思いました。

総合内科から一度離れますが、次また総合内科をすることがあればその時は指導医としての立場が求められるのだな、と思うとこれも恐ろしいものですね。

総合内科はスピリッツとアートだと思っていますが、それでも、知識がないことには始まらない分野だと思います。
福知山のボスは間違いなく北京都ナンバーワンの内科医ですし、彼が診断できない疾患は北京都では厳しいかもしれない、という状況でずっと働くのは相当なプレッシャーだと思います。
そんな彼のもとに、もっとこれからも若い内科医が勉強のため集まればいいなあ、と思いました。
1年でいいと思いますけどね。

いっぱい書きましたが、3行にまとめますと。。

①研修医より上の学年を指導するのは、研修医教育とはまた別の能力が必要
②総合内科をどこでも出来るために、なにか武器が欲しい、と感じた。
③1年でいいから若手内科医は福知山にいけ。

ですね。


今後どうするか

札幌にいる時に、2年計画で、京都と福知山をスムーズに行き来するために内科プログラムに乗りました。
ただ、やっぱり、専門医の必要性を感じさせてはもらえない2年間でした。


専門医を持っていない、というレッテルはつきますし、就職もすこし不利かもしれませんがでもそれだけですね。。
いや、というか専門医が例えば10万円払ってもらえるなら当然もらいます。
専門医とる医師をバカにしているわけではありません。
絶対にとれるなら取った方がいいと思います。


ただ、自分の貴重な時間を削る価値は感じませんでしたね。

こんなクソみたいなブログ書いてるならJ-oslerしろよと言われればおっしゃる通りです。
まあ、とにかく、人生に役に立たないレポート作成なんかもう、大人になったらできませんね。。

もっと感染症専門医とか、まあ、別に感染症以外もですけど、普通に報酬高くあれよって思いますね。
なんで私みたいなはぐれ内科医と報酬いっしょなのさ。
じゃないと、私みたいな医者が増えますし、専門医とらない内科ガチ勢めざす、みたいなのは基本的には社会にはバグ以外で生まれませんので、日本の医学は衰退の一路かと心配になります。

さて、立場上は後期研修医3年目、J-oslerゼロ記載で帰るので怒られるんだろうなとは思います。
クビにならないならもっともっと学びたいことがあるので在籍させてほしいですが。。
京都のボスには申し訳ない限りですね。。

そろそろ開業したいなとか思ったり、本を出版したいな、なんて思ったりしますし、いい加減論文書こうとか思ったり、ちょっと自分でも2-3年後何しているかすら見えてきませんが、医学には携わっていたいですね。。

ではまた。

結論:でも一番やりたいのはやっぱりホットドッグ屋さん。

2022/03/27

手術部位感染症(SSI)について

スミヨシです。


環境によるのかもしれませんが、総合内科の人間ってICTに属することが多いのかと思います。


すると、内科医にとってなじみのない手術部位の感染の相談も受ける機会が多いもんです。

SSIを軽くまとめてみました。


手術部位感染症

(Clin Infect Dis.2014;59(2):e10-52. )

(レジデントのための感染症マニュアル第4版 医学書院)

(UpToDate®"Overview of the evaluation and management of surgical site infection")


Surgical Site Infection (以下SSI)

昔はSurgical Wound Infectionと呼ばれていたが、もっと深層にも感染するため、現在のSSIの呼称となった。


平均発生率は2.6%

外科患者の院内感染の38%

(Infect Control Hosp Epidemiol.1999;20(4):250-78; quiz 279-80.)


クリーンで低リスクの手術が最も発生率が低く、汚染された高リスクの手術(消化管穿孔や膿胸など)は感染率が高い

(Clin Infect Dis.2001;33 Suppl 2:S69-77. )


SSIの定義(CDC)

SSIの分類

3つのカテゴリーにわけられる

・表層切開部SSI(皮膚-皮下組織)

・深部切開部SSI(筋肉・筋膜)

・臓器・体腔SSI


術後30日以内に発生(人工物があれば1年以内)で以下のいずれかを満たす

・膿性排液

・感染部位からの病原体検出

・切開後の痛みまたは圧痛、腫脹、紅斑(培養陰性は除く)

・主治医の診断


SSIの起因菌

横綱は黄色ブドウ球菌

感染が深部に及ぶ場合には、手術侵襲のあった部位の起因菌が多い(腸管なら大腸菌、Bacteroidesなど)

多い順にS.aureus、CNS、腸球菌とされるが、実際に起因菌になっているかは吟味が必要

腹腔ドレーン培養からCNSがでてもカバー不要の可能性が高いが、人工物が入っている部位のCNSは要注意


SSIの治療

基本は切開、ドレナージ±抗菌薬


術後48時間以内の発熱:SSIではないことが多い

ただし、A群溶連菌、Clostridiumは重篤かつ迅速に進行するので全身症状や局所症状の目立つ場合には創切開、デブリドマン、PCGなど


創部の局所症状あり(創部の発赤、硬結など)

⇀創開放、洗浄、ドレッシング交換

BT≻38.5℃、HR≻100/min、紅斑が5cm以上、深部の強い炎症や臓器/体腔のもの→抗菌薬投与

会陰部、消化管、婦人科手術→Bacteroides意識でSBT/ABPCやCMZ、CLDM+α

頭頚部、体幹、四肢など→S.aureus意識でCEZ、VCMなど


SSIの予防

患者因子、汚染する菌の量を減らすことを考える


患者因子

禁煙:1か月前から

栄養:栄養不足は解消しておく。術前5日間の経腸栄養はSSI低下

(Gastroenterology.2002;122(7):1763-70. )

肥満:無理のない範囲で減量

皮膚病変:できるだけ治療しておくことが望ましい

糖尿病:コントロールすべき、数値は諸説あり(少なくとも200-180以下か)

酸素投与:良いデータも悪いデータもあり


汚染する菌の量を減らす

入院期間を最小限にする

バクトロバン:鼻腔の黄色ブドウ球菌を減らすだろうがSSIは減らない?保菌者は感染率減少か。

(NEJM.2002;346:1871-7)

感染症:手術部位以外の感染症はできるだけ治療

手洗い:外科医は消毒薬入りの石鹸やアルコールで手洗い。

    皮膚の損傷を最小限にするため手洗い、ブラシの使用を削減も

術前処置:剃毛はしない。バリカンや脱毛クリームは術直前

手術室:出入り人数の制限 陽圧、十分な換気

ドレーン:必要最小限、可能な限り早く抜去

     手術切開創とは別の部位からドレーン挿入

体温:術中低体温(深部体温<36℃)を回避

(NEJM.1996;334:1209-15)

周術期抗菌薬:適切なタイミングで。下記。


周術期抗菌薬

投与のタイミング:皮切前60分以内

術中:長時間の手術では追加、目安は3時間

投与期間:24時間以内に終了可能(すでに感染している手術では抗菌薬継続)

抗菌薬選択:SSIの起因菌をカバー


まとめ

中々普通の内科がSSIを真剣に学ぶ場面は少ないかもしれません。

ですが、外科から不明熱の紹介⇀臓器/体腔SSIなんて場面をよく経験しますし、知っておいて損はしないと思います。

結局は局所に乏しいSSIはCT撮るしかないなあ、なんて思ってます。

ではまた。


結論:調べてないけど、SSIってITの会社が多分200社くらいある。



2022/03/24

【症例】胆嚢摘出術後に腹痛のある40歳女性

スミヨシです。


ブラックジャックの胆石


外来カンファで話題になった症例があったので紹介します。


※症例は実際の症例を参考にデータや背景変更してます。

------------------------------------------
40歳女性

3か月前に胆石症に対して胆嚢摘出術
術後経過は良好だが、今も時折右季肋部痛がある
採血、造影CTでは異常所見なし

------------------------------------------


フレーズだけならどこかで見ることがあるかもしれませんが、意外と一般内科では見ないなあ、という症例です。








鑑別にあがったのは、胆嚢摘出後症候群です。




胆嚢摘出後症候群

(Oddi括約筋機能不全:sphincter of Oddi dysfunction)


胆嚢摘出後に器質的疾患がないが、胆石症様症状を来す疾患


胆嚢摘出後症候群(以下PCS)は、Oddi括約筋機能不全(以下SOD)の一つなので、まずはそれを学ぶ必要があるかもしれません。

ただ、正直あまりにもつまらないので、適宜飛ばしてください


分類

早期PCS:術後に起こるもの

後期PCS:術後数か月から数年で起こるもの


早期のものは胆嚢・胆管損傷、胆嚢管の遺残、総胆管結石などが原因

後期のものは、Oddi括約筋や総胆管の炎症性瘢痕狭窄、再発性結石、胆道運動障害など

(Br J Radiol.2010;83(988):351-61. )

胆管外の原因は(狭義の意味では鑑別疾患)、過敏性腸症候群、膵炎、膵臓腫瘍、肝炎、消化性潰瘍疾患、腸間膜虚血、憩室炎、または食道疾患などと、肋間神経炎、wound neuroma、冠動脈疾患、心身症などの腸外の原因とがある。


症状

SODのRomeⅣ基準を参考

まずは胆道痛かどうかを考える

そのうえで胆道SODの基準をみたすか考慮

(Gastroenterology. 2016;S0016-5085(16)00224-9. )


胆道痛:以下の基準をすべて満たす

・みぞおちor右上腹部痛

・30分以上続く

・さまざまな間隔で発生する再発症状(毎日ではない)

・痛みが増していく

・日常の妨げ、救急受診につながるほどひどい

・症状と排便とはあまり関係がない

・姿勢の変化やPPIで症状が大幅に(<20%)軽減されない

補助項目

・吐き気と嘔吐に伴う痛み

・背中および/または右肩甲骨下領域に広がる痛み

・患者を睡眠から目覚めさせる痛み


胆道SOD

・胆道痛の基準が満たされている

・胆管結石または他の構造異常の欠如

・肝酵素の上昇または胆管の拡張、ただし両方ではない

補助項目

・通常のアミラーゼ/リパーゼ

・オッディ括約筋内圧異常

・肝胆道系シンチグラフィー異常


治療

CCBもしくはウルソが考慮されるが確立されたものは無し

(Br J Clin Pharmacol.1992;33(5):477-85.)

(Gastrointest Endosc.2008;68(1):69-74.)

内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)も有効かも

(Gut. 2000;46(1):98-102. )


実際に対応するときには、まずは総胆管結石などないか確認、採血も行う

MRCPを行うか、胃カメラを行うか検討しつつ、状況によってはウルソ投与、でしょうか。


現場ではそこまでせずかもしれません。

症状によるかもしれませんね。


ではまた。


結論:ブラック・ジャックの純華飯店の話は、ヒューマニズムが大いにあって好きだが、実際にやると訴訟される


2022/03/21

Streptococcus anginosusと、S.andagiについて

スミヨシです。


90歳女性、蜂窩織炎で入院

血液培養でGPC-chainが検出されたのでG群連鎖球菌でも生えるかな、と思っていたら培養結果はStreptococcus anginosusが検出

肺炎や口腔内感染がない、かは自信が無いがやはりフォーカスは蜂窩織炎かと思う。


札幌の師匠から、Streptococcus anginosusが検出されたときには膿瘍を探せと言われたものですが、どうしたものか。。


というわけでいわゆる「ミレリグループ」の連鎖球菌についてです。


Streptococcus anginosus group(milleri group)

S. anginosus, S.constellatus, S. intermediusからなる

他の連鎖球菌とくらべて毒性が強く膿瘍形成をする傾向がある

(Rev Infect Dis.1988;10(2):257-85. )


reviewを読んでみました。

この論文を選んだ理由は無料でみれる文献だったからです。。

(Sci Rep. 2020 ;10(1):9032.)


背景

中国 済寧市の2施設でのレビュー

3菌種(S. anginosus, S.constellatus, S. intermedius)で合計463人


固形腫瘍が30%

血液悪性腫瘍が2.9%

2型糖尿病が33%

中枢神経系疾患(脳梗塞、脳出血、脳外傷、重症筋無力症、またはパーキンソン病)が11%


男性が多い(男vs女=1.95:1)

93%が市中感染


463例の内訳、感染臓器


腹腔内、上下気道、軟部組織感染が多い


年齢別感染臓器

Streptococcus anginosusの年齢別感染臓器

18歳未満では虫垂炎が多い。

高齢になるにつれて肺が多くなる。

皮膚軟部組織感染や口腔、扁桃はどの年代でも起こる。



膿瘍をどれくらい起こすか、は分からなかったので、違うレビューも探しました。

有料でしたがそういえば私の所属する福知山市立病院は論文のお金出してくれる病院であることを思い出したのでUpToDate®のInfections due to the Streptococcus anginosus (Streptococcus milleri) groupの元文献を見てみました。


ニューヨーク州の3次病院の単施設レビュー

(Am J Med Sci. 2017;354(3):257-261. )

332例

皮膚軟部組織感染は72%

70%が混合感染

腹腔内膿瘍は20%


治療は11%が抗菌薬単独療法だったが、残りは外科的介入(ドレナージ)があり

⇀重症患者を多くみている可能性があるが多くはドレナージが必要な膿瘍形成をしていたと考えられる。


まとめ

今回の症例では混合感染の証拠はなく、また、局所症状の消失とともにCRPも改善したために、2週間の抗菌薬で治療終了しました。

局所症状のある場合にはその部位の画像をとってもいいかもしれません。

また熱源不明患者の血液培養Streptococcus anginosus陽性とかは膿瘍探しをしてもいいかもしれません。

若年者は虫垂炎も念頭に置きたいですね。


ではまた。


結論:S.andagiはサーターアンダギーって言って沖縄のおいしいお菓子。



2022/03/19

【short】CareNeTVは株主優待で見ようよ

ケアネットってCareNeTVっていう動画配信してますよね。
してるんです。知らなくても話をすすめます。



CareNeTV

医学系の動画を配信しています。
千葉大GIMカンファレンスとか見ることができるので面白いです。

講義の内容もいいですけど、プレゼンの仕方、この先生大学の先生みたいでつまんねーな、とか、この先生面白いな、とか学びがあります。
時代は動画配信なので、講義のモデルとして勉強になるかと思います。

あと、知ってる先生ちらほらいてなんか面白いです。


で、気になるお値段ですが。


月5500円です。


Amazon Primeよりはるかに高い。。

これは払う価値があるかといえば、まあ無いわけではないですが。

株主優待でも見ることができるのでそちらがおすすめです。

CareNetの株主優待

証券コード 2150 ケアネット
マザーズ銘柄です。








1単元(100株)で申し込みをすればいくらでも見られるようになります。
あとはホールドあるのみ。
DVDも毎月もらえます。
医師限定ですが、株主還元としては破格だと思います。
ただ、なんか最近岸田内閣や世界情勢にかこつけて死ぬほど売り込まれてて株価大下落してます。




ロシアのバカ!!!


3月19日現在783円なので、100株で78,300円です。

ケアネットはそれなりのグロース株ですが、今せいぜい時価総額350億程度の企業です。
エムスリーやメドピアと比べて安すぎですね。

ポイントサイトの還元率もかなり高いです。
個人的にはケアネットは今が底で、マザーズ上昇の気流とともにあがるはず。
つまり、お金が増えるし動画も見ることができて最高です!!!


ちなみに僕はもう少し前から持っているのでめちゃくちゃお金減りました!!

ケアネットのバカ!!!

いずれにせよ、ずっと持っておけば損はしないはず。
というか、年66,000円も払うならとっとと株買って、保有しておけばいいと思います。
是非興味があれば優待目的にケアネットを。
3月29日が締め切りだと思います。

ではまた。


結論:投資は自己責任です。ケアネットが倒産しても、そのときはケアネットのバカ!!!と叫んでください。

2022/03/17

内科入院患者のDVT予防(どうしたらいいかわからん)

スミヨシです。


先日の記事で、整形外科術後のDVT予防について調べました。



けど、僕、よく考えたら内科医になろうとしているので、内科入院患者のDVT予防をもう少し考えた方がいいんじゃないかと思うようになりました。


みなさん、内科入院患者のDVT予防はしておりますでしょうか?


DVTリスク評価

1番有名なものはPEDUAスコアだと思います。


PEDUA スコア(J Thromb Haemost.2010;8(11):2450-7.)

⇀4点以上で血栓高リスク

活動性のある癌
静脈血栓症の既往
活動性の低下
既知の血栓性素因
1か月以内の外傷や手術
70歳以上
心不全 or 呼吸不全
急性心筋梗塞 or 脳梗塞
急性感染症 or リウマチ性疾患 
肥満(BMI≥30)
ホルモン療法中
3点
3点
3点
3点
2点
1点
1点
1点
1点
1点
1点













これだけ素直にとると、高齢の寝たきりの肺炎なんかはそれだけで、

4点超えてDVT予防が必要、ということになります。

でも実際にこういう人に行うことはないのでは、とも思っています。


DVT治療におけるデメリット

当然、全員に抗血栓療法を行わないのは理由があって、デメリットがあるからです。

一番は出血リスクですよね。


DVT治療における出血リスク(Chest.2011;139(1):69-79. )

活動性の消化管出血
過去3か月以内の出血
血小板が5万/μL以下

85歳以上

PT-INR>1.5
腎不全(GFR<30以下)
ICU or CCU入院
中心静脈カテーテル
リウマチ性疾患
悪性腫瘍
男性

とくに上3つはハイリスクです。


で、さらにそもそも日本人は血栓リスクが欧米の患者に比べ低いです。

そいでもって、術後じゃない患者のDVT予防にはヘパリンカルシウム皮下注くらいしか投与できなくて正直面倒です。。


こんな理由で、日本の内科DVT予防はあまり皆積極的ではないですが、それでも血栓リスクが低いので、案外うまくいっているのかなあと思います。

あと、寝たきりの人のDVTは治療が必要か、と言われると難しいところですよね。

当然PEになるのは不幸ですが、知らない間に胃潰瘍、とかは目も当てられないですし。


いままで、ICU入院になるような患者はルーチンで投与してましたが、それ以外はあんまり、てな感じでした。

Covid-19が血栓リスクがあり、ヘパリン投与を行うようになって、こういうの考え直した次第です。


もう少しDVT既往がある方を拾い上げたり、離床に時間はかかるだろうが、社会復帰できそうな高齢者とか、ICU以外でもDVT予防を考慮できたらいいかもしれないですね。


というわけで、

・ICU入院患者で出血リスクの少ない患者

・PEDUA≧4点で、早期離床難しくて出血リスクの少ない患者

にはヘパリンカルシウム考慮ですかね

すでに抗血栓薬入っていたら除外でもいいかもです。


ただ、見逃しているだけかもしれませんが、本当に入院中にDVT/PEになってしまった、という経験は少ないので、日本人の血栓のできなさはすごいのかもしれませんが。


ではまた。


結論:1月20日は血栓予防の日でその理由が「20」が「つ・まる」でつまるだから、というのをきいて、つまらねー、と思ったが、つまらねーことは血栓予防にふさわしいからやっぱすごいと思いました。

2022/03/14

局所麻酔中毒にはイントラリポス®

スミヨシです。


カンファとかで出てきて、後で調べよう、とか思ったことは逐一メモしているんですよね。


それながめていたら、

「局所麻酔 イントラリポス」


みたいな謎のメモがありました。


全く身に覚えがない。。

どこでこれをメモしたかさっぱりわかりませんが調べてみました。


LAST(Local Anesthesia systemic toxicity):局所麻酔中毒

(Aesthet Surg J.2014;34(7):1111-9. )

UpToDate®"Local anesthetic systemic toxicity"


局所麻酔による中毒、全身症状。


症状

60%が急速発症の中枢神経症状および心血管症状を伴う

(Reg Anesth Pain Med.2010;35(2):181-7. )

5分以内の急速発症

前駆症状はめまい、眠気、耳鳴り、不快感などだが、頻度は少なく、18%に起こる。

中枢神経症状は意識障害、興奮、

心血管症状は徐脈、頻脈、低血圧、VT/VFなど


危険因子

・小児、高齢者

・肝機能障害

・低・高心拍出量

・心疾患

・血漿タンパク減少

・妊娠

・β遮断薬、ジゴキシン、CCB、cytochrome P450阻害薬(キノロン、エリスロマイシン、オメプラゾールなど)


治療

(Circulation.2015;132(18 Suppl 2):S501-18. )

局所麻酔中毒の治療


まずはアシドーシス改善と低酸素血症の是正、気道確保

可能ならバソプレシンを避ける


その次には脂肪製剤(イントラリポス輸液 20%®を使用)

▼1.5×BW mlをIV⇀1.5×BW ml/hrでDIV

 IVは100mlを上限

・50kgの患者なら、75mlをIV⇀750ml/hrで持続点滴

▼shock続けばIVを追加で2回まで繰り返す

 持続点滴投与速度を2倍に(50kgなら 1500ml/hr)

 最大総投与量は12ml/kg(50kgなら600ml)


というわけで、局所麻酔中毒は、通常の薬剤中毒の対応に加え、イントラリポスを覚えておくといつか役に立つかもしれません。

とはいえ、麻酔科とか外科以外ならそこまで出会うこともないかもしれませんけど。


ではまた。


結論:看護師は絶対にイントラポリスって間違える



2022/03/12

DPP4阻害薬でRS3PEが増えるかも(再掲)

※2020/10/6に公開した記事です


スミヨシです。

病院内には医局という、まあざっくりいえば医者だけが集まる部屋があります。


私の以前の病院は、あまり3-5年目の先生がいなかったですから、同世代の人たちがどれくらいの勉強してるのか、とかどんなこと知ってんのか、とか聞くこともなかったです。

でも今の職場は若い先生も多いので、いろんな話が聞こえてきて楽しいです。


医局で、若手の先生が、

急な両側の手関節痛・肩関節痛と手背の浮腫の高齢男性がきた、といって、なんだろうねえ、膠原病って難しいよねえ、と言っていました。

なんかそういう病気で、英語と数字だけの名前の病気あるよねえみたいにいってました。


ああ、そういう話、好き!!私も入りたい!!

それって、RS3PEじゃないのかなあって!!


RS3PE

RS3PEは、「remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema」

の略で、まあそのまんま、RF陰性の関節炎の鑑別によくあがるやつです。

ほんとは滑膜炎です。

マニアックな疾患だと思いますが、病院見学にきた学生さんでも知っている人もいるので、それなりに疾患認知度はあがっているのかもしれません。


リウマチ科の先生にいったら怒られるかもしれませんが、私は研修医には、

PMR+浮腫=RS3PEを疑う

とおしえてます。PMRはリウマチ性多発筋痛症です。

PMRとちがいVEGFの機序がどうとか、は面白いですが、あんまり臨床に活用できないので頭に入ってこないです。。

あとPMRを診断するのがひとつ難しいのですが。。

治療はPSL15-20mgから始めますし、PMRと似ています。


RS3PEは悪性腫瘍合併を疑う?

PMRもですが、傍腫瘍症候群としてのRS3PEはよく言われます。

亀田病院の研究では、悪性腫瘍合併は7%だったようです。

(J Rheumatol 2012;39;148-153)

PMRは6%とのことです。スクリーニングで全例がん探しをすべきかはわかりませんが、ステロイド反応性のわるいものは悪性腫瘍随伴性では、とかは聞きますね。

自験例では、

RS3PEうたがい、PSL投与する⇀そのために骨粗しょう症予防としてビスホスホネート投与する⇀その前に歯科にコンサルト⇀口腔がん見つかる。というのがありましたね。

こういうの論文にしなきゃいけないですね。。すみません。。


RS3PEとDPP4阻害薬との関係

DPP4阻害薬投与例でRS3PEを経験したという報告があります。

(日本内分泌学会雑誌 2017;93:57-60)

PubMedでDPP4とRS3PEで検索しましたがめぼしいものはなさそうでした。

DPP4阻害薬の副作用では類天疱瘡が有名ですが、RS3PEも頭の片隅においておいていいかもしれませんね。

実際に、シタグリプチン(ジャヌビア)の添付文書には副作用の欄にRS3PEが載ってます。


ジャヌビアの添付文書にRS3PE
ヤクチエというアプリの添付文書より。



医局で声が聞こえてきて、しらべてこういうの出てきて、これ伝えてあげようかなあとか思いましたが、冷静になると知らないやつが急に病気の説明してきて、すっごく気持ち悪いやつになるなと思いやめました。




結論:ずっと医学の検索してニヤニヤしてたらお金もらえる仕事したい


※ジャヌビア飲んでいる人に、ジャヌビアやめとけ、というものではありません。

すべての薬剤には副作用があります。くすりはリスクです。



2022/03/10

【PG?BG?BS?】血漿血糖と血清血糖の違いは?

採血を出すときに、血糖と血清血糖がオーダーであるんですけどどっちがいいですか、と研修医に聞かれました。


血漿血糖と血清血糖


こんな感じな当院カルテのオーダー画面です。

大きな医療事故にはつながらないとは思いますが、血清血糖は忘れて結構、と返事しました。

まあ、当院採血量が少なくなるメリットをとって入院中患者の大体が血清血糖で測定する文化は多く、自分もなんだかんだオーダーしてしまうので強くは言えませんが。。


血漿血糖と血清血糖の違い

ずばり血清血糖は数字が低く出る可能性があるのです!

まあ、理由が無ければ血漿で、血糖測定用の採血管での測定がよいと思います。

RBC、WBC、PLTが解糖系を発動してしまうので、通常の採血で血清から出すとその間に糖を消費してしまうのですね。

ネットで調べると、全血で室温で1時間当たり10mg/dlくらい減るとか。


採血管での違い


下の図は、Floride採血管の血漿(いわゆる血糖測定用の採血管)、EDTAの血漿、血清の血糖値と採取してから検査までの時間の比較です。




(J Clin Lab Anal.2012;26(5):317-20. )

時間が経つとどれも血糖値は下がるみたいですね。
ただ、ノータイムで検査しても血清だと1.15%低く出ます。
血糖用の採血管で採るのが無難ですね。

※ただし、この論文の結論としては時間が経った採血では、血清の方が普通の血漿よりも血糖値の低下は少ないから適しているかもよ、という論調


まとめ

血糖は測定方法で低く出すぎることがあります。

採血量が少なくてすむのはよいですが。。
回避するために、血糖測定用の採血管で血漿で血糖測定するのがよいかな、なんて思いました。
血糖はPG(Plasma Glucose)と略す派のスミヨシでした。

ではまた。


結論:BS(Blood Suger)と略す人間を追い詰めるBS狩りの医者がどの病院にもいる。

2022/03/07

免疫チェックポイント阻害薬による1型糖尿病

総合内科医は、手技の不要な疾患はすべて守備範囲だ

かつて札幌の師匠は私にそう言いました。
しかしながら、やっぱり苦手分野、無理だろ、という分野は生まれるものだと思います。

スミヨシです。

私の場合そのうちの一つに腫瘍関連があります。
まあ、まず覚えられないし、今後も自分が中心に腫瘍の治療を行うことは少ないと思います。

結局のところ、免疫チェックポイント阻害薬はそれなりに副作用多いんですね。

UpToDate®にも独立したページがありました。


知りませんでした。。

甲状腺機能異常、副腎不全、下垂体炎を起こすほかに、1型糖尿病があるんですね。。


免疫チェックポイント阻害薬投与患者の1型糖尿病

UpToDate®や内分泌ガイドラインを見ると、発生率は1%に満たない程度
抗GAD抗体、抗IA-2抗体は陰性の事が多い

救急や内科外来では、急性発症1型糖尿病や、劇症1型糖尿病の形で診ることが多いのかもしれません。というか、それで知りました。
ステロイド投与してもDMは改善しない、とのこと。
そもそも行く発想が無かったです。


今の自分のセッティングでは自院に糖尿病内科がいますので、対応することはあまりありません。
将来違う病院で他の科からDMや内分泌疾患の紹介などあれば留意したいですね。

まあ、わざわざ記事にするほどでもないのですが備忘録です。
やはり、抗がん剤を扱う医師はすごいです。

ではまた。


結論:正直にいうと、免疫チェックポイント阻害薬が何を阻害しているかはわからん。

2022/03/04

肺炎+消化器症状はレジオネラを疑え

スミヨシです。


この前、イレウス+腎不全患者の肺炎の対応をしました。

イレウス→誤嚥→肺炎かな、と思ったけど、いろいろあってレジオネラ肺炎ということがわかりました。

ちょっとレジオネラは勘弁してよ、という感じでしたが、そもそもレジオネラでイレウスになるんでしょうか?



レジオネラは消化器症状が出る

レジオネラ肺炎って個人的にはやっかいで糸口がつかみづらいです。

札幌時代の師匠からは、

「肺炎+消化器症状はレジオネラを疑え」

と教わったものです。


実際に、レジオネラは、水溶性下痢、腹痛、嘔吐を来します。

下痢は19-47%

嘔吐は9-25%

(Clin Microbiol Infect.2006;12 Suppl 3:12-24.)

比較的徐脈のCunha先生の論文でした。

この人ほんとなんでも書いてるな。。


マイコプラズマも消化器症状でますし、マクロライドを飲んで下痢になって、あたかも肺炎+消化器症状になるのも注意、ですね


とはいえ、この肺外症状は別に、全てイレウスや腹膜炎を起こしているわけではないと思います(もしかすると微小な腸炎や腹膜炎などはあるのかもしれませんが)。

救急外来だと、正直熱で来ただけで、胸腹部CT撮影されるのですが、レジオネラの人が皆腹部画像に何かあるわけではないですし。


レジオネラの肺外症状

レジオネラは肺炎以外にも感染を起こします。

UpToDate®とLancetのレビューに記載があったものを羅列すると、


・中枢神経感染症

・皮膚軟部組織感染症・創傷感染

・関節炎・骨髄炎

・心筋炎・心外膜炎・感染性心内膜炎

・腹膜炎

・腎盂腎炎

・脾臓破裂・脾腫

(UpToDate®"Clinical manifestations and diagnosis of Legionella infection")

(Lancet.2016;387(10016):376-385. )

てかこのLancetのレビューもCunha先生でした。

すぎょい。。

脾臓破裂、がやたら印象的でしたが、さすがに頻度は多くないようです。


レジオネラ+イレウス

レジオネラ+イレウスで検索ではあまりヒットしませんでした。

ケースレポートがあったので、見てみましたが、関係あるかもねーみたいな感じでした。

(Case Rep Crit Care.2019;2019:3472627. )


さすがに、肺炎+イレウス=レジオネラとまではいかないのかも。

でも、全身症状も出やすく、ICU入室率も高いレジオネラ肺炎なら、非特異的にイレウスが出現してもよいのかもしれません。



まとめ

とりあえず、ごちゃごちゃ言いましたが、

「肺炎+消化器症状はレジオネラを疑え」

はいつか役に立つかもしれません。


ではまた。


結論:肺炎+神経症状もレジオネラを疑うんです!!

2022/03/02

【short】アセリオについている顔の名前

スミヨシです。


アセリオを知っていますか。


もはや医師より看護師のほうが愛用しているかもしれないアセリオ。

中身がカロナールとは知らずとも、熱下がる点滴、という地位を不動のものにしているアセリオです。


で、アセリオ、私が研修医の時はありませんでしたが、今はバッグのタイプがあります。



アセリオ/アセニコ


こいつの左下の赤い顔ありますよね。



そう、こいつがアセニコです。




Twitterでみつけてうれしい気持ちになりました。

そうか、お前、名前あったのか。


なぜこんなポップなデザインなのか、なぜ名前を応募してまでキャラ付けをしたかったのかは、テルモの社員しか分かりません。


でも、これからは、私言います。

アセリオのことをアセニコと言います。


熱でたら、「アセニコいっといてー」と言います。

尿管結石が来ても、「アセニコにしとこうかあ」と言います。


かわいいねえ、アセニコ

ゆるきゃらのくくりですかねえ、アセニコ

着地点みつかりませんねえ、アセニコ





結論:アセニコとかいったら多分アセリオ2個投与されて事故るので言わない方がいい。